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On the Production
by 井口健二
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■第160回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。       ※
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 今回も記者会見の報告から。
 まずは5月19日に、『カスピアン王子の角笛』の出演者及
び監督と製作者による記者会見が行われた。この会見では、
新しい情報はあまりなかったが、会見中ルーシー役のジョー
ジー・ヘンリーから、「次の撮影では監督も年長の兄姉もい
なくなるけど頑張りたい」との発言があった。この発言は、
第3作では原作通り4兄弟の内の年長の2人は登場せずルー
シーとエドマンドが中心になることを示しているが、同時に
監督のアンドリュー・アダムスンの降板も明白になった。
 因に次回作の監督には、『007/ワールド・イズ・ノッ
ト・イナフ』のマイクル・アプテッドの起用が報告されてい
るものだが、今回の発言でそれは確定と考えていいようだ。
しかし、物語についてはまだ情報が交錯しており、第3作の
映画化が、“The Voyage of the Dawn Treader”の単独にな
るか、あるいは“The Silver Chair”を併せたものになるか
は明瞭ではない。実は会見では製作者からのその辺の発言も
期待したが、それは出なかった。なお第3作の全米公開は、
2010年5月7日の予定になっているものだ。
        *         *
 記者会見はもう一つ、5月28日に『シティ・オブ・メン』
の監督パウロ・モレッリの会見も行われた。ここでは、自分
で気になっていた前作『シティ・オブ・ゴッド』及びテレビ
シリーズとの関係について質問してみた。その回答は「製作
会社は同じだが、2本の映画は別々の物語だ。また前作では
背景でしか描かれなかった家族の問題を、本作では主に描こ
うとした。メイレレスの作品はhopelessだったが、自分の作
品には希望を込めた」とのことだった。この回答は先に掲載
した映画紹介でも予想していた通りだったが、その裏付けが
取れた感じがしたものだ。
 なおこの質問では、一緒に1959年のマルセル・カミュ監督
作品『黒いオルフェ』(Orfeu Negro)との関連についても
聞いてみたが、監督は「リオのファヴェーラは文化の一つと
言えるものだ。しかしその文化も変化して行く」と答えたの
みで、あまり一緒には論じて欲しくない雰囲気だった。確か
に50年も昔の作品を引き合いに出されるのも迷惑なことかも
知れず、これは当然反応だろう。以後は気を付けたい。
 以上で記者会見の報告は終りにして、以下はいつもの製作
ニュースを紹介しよう。
        *         *
 まずは、ディズニーandジェリー・ブラッカイマー製作の
アクション・アドベンチャーで、昨年11月15日付の第147回
でも紹介したPCゲームの映画化“Prince of Persia: The
Sands of Time”の主演に、ジェイク・ジレンホール(この
ように発音するのが正しいらしい)の起用が発表された。
 ゲームの物語は、古代ペルシャの王子が、人類を滅亡させ
る砂嵐の発生を止めるために、地の果ての王国で大活躍する
というもの。そこには「時の砂」と呼ばれる時間の流れを司
る神秘の存在も関わってくるというものだ。
 この物語から、原作ゲームの制作者のジョーダン・メック
ナーと、2005年に第2次大戦を描いたオーストラリア映画の
“The Great Raid”を手掛けたキャロル・バーナードとダグ
・マイロのコンビ、それに2004年『ダンシング・ハバナ』な
どのボアズ・イェーキンが加わって脚本が書かれたようだ。
 なお、以前の紹介では、脚本家に『ザ・デイ・アフター・
トゥモロー』のジェフリー・マクマノフの名前が挙がってい
たが、その脚本はキャンセルされたらしい。デザスタームー
ヴィの脚本家から、戦争映画と風俗映画の脚本家への交替に
はどんな意味があるのだろうか。
 監督は、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』や、今夏

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06月01日(日)
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