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On the Production
by 井口健二
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■ゴーストバスター、クンフーファイター、ファイヤーライン、バグズ・W、赤んぼ少女、幸せの1ページ、R'nRダイエット、超ウルトラ8兄弟
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。     ※
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『チャウ・シンチーのゴーストバスター』“回魂夜”
6月28日に開催される香港レジェンド・シネマ・フェスティ
バルの1本として上映される日本未公開作品。
同日に最新作の『ミラクル7号』が日本公開されるチャウ・
シンチーが、幽霊退治のエキスパートに扮して活躍する1995
年製作のホラー・コメディ。
とあるマンションに住む夫婦の息子に、亡くなったばかりの
祖母の霊が取り憑く。そこに幽霊退治のスペシャリストが現
れ、見事霊を追い祓ってくれるが…
『ミラクル7号』は『E.T.』からヒントを得たと公言して
いるチャウ・シンチーだが、本作は、邦題の基になっている
『ゴーストバスターズ』よりは、子供に霊が取り憑いたり、
テレビがそれに関わるなど、スピルバーグが『E.T.』と並
行して製作した『ポルターガイスト』に似ている。
といってもこの作品のチャウ・シンチーは主演しているだけ
で、脚本監督は2003年2月2日付で紹介した『クローサー』
(夕陽天使)の脚本も担当していたジェフ・ラウ。03年作の
ストーリー展開も面白かったが、本作もいろいろ捻りがあっ
て興味深いものだった。
共演は、『少林サッカー』にも出ているウォン・ヤッフェイ
と、『クローサー』に出演のカレン・モク。因に、カレン・
モクは『少林サッカー』にもゲスト出演して、その際にはチ
ャウ・シンチーの元恋人と書かれたが、本作がその恋人だっ
た当時の作品のようだ。
なお、物語は捻りがあると書いたが、実のところはかなりシ
ビアな部分もあって、正直に言ってお笑いばかりの内容では
ない。もちろんコメディの要素も多くはあるし、それだけで
楽しんでも良い作品ではあるが、ちょっと考えさせられるも
のも含んでいた。
全体のテーマは多少くらい感じもするが、チャウ・シンチー
の作品はどれも、ただ面白いというだけではないものを持っ
ており、そのベースみたいなものがここにあるのかも知れな
いとも思わせてくれる作品だった。
なお、原題の「回魂夜」は、死者が7日目に現世に戻ってく
るという中国の言い伝えに基づくようだ。

『裸足のクンフーファイター』“赤脚小子”
6月28日に開催される香港レジェンド・シネマ・フェスティ
バルの1本として上映される日本未公開作品。
2006年9月30日に紹介した『エレクション』(黒社會)など
のジョニー・トー監督による1993年作品。古装アクションと
呼ばれるようだが、ちょっと昔の中国社会を背景にしたカン
フーアクション作品。
主人公は、故郷で父親直伝のカンフーを学んできた若者。し
かし履物も買えないほどの貧乏で、それゆえに学もない。そ
んな若者が、父親の一番弟子で街に出て地位に着いたはずの
男を訪ねて、とある街にやってくる。
その街では、家伝の染色法で他には真似できない製品を作り
出す染色工場を巡って、その工場を買収しようとしている町
の顔役らと工場の女主人との闘いが続いていた。そして主人
公は、その染色工場の用心棒として暮らしている一番弟子の
男と再会するが…
主人公は訪ね先の住所も読めないほど学が無く、それでも純
真無垢な人柄から誰にも愛される。そしてせめて自分の名前
ぐらいは書けるようになろうという努力もするが、しかしそ
の無知を悪人たちに利用され、それが悲劇を生んで行くこと
になる。
元々90年代カンフー映画の傑作として知られていた作品のよ
うだが、いろいろあって日本での公開は見送られていたよう
だ。ただ「泣けるカンフー映画」として、その名のみ有名な
作品だったとされている。
お上に通じている顔役と、そこに送り込まれた非力な官吏な
ど、日本の時代劇を見ているような設定には、単純な勧善懲
悪ものかと思いきや、無学ゆえに悪人に利用されるという悲

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06月08日(日)
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