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On the Production
by 井口健二
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■デイ・オブ・ザ・デッド、レッドライン、カンフー・パンダ、12人の怒れる男、1000の言葉よりも、小さい赤い花、TOKYO!
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※
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『デイ・オブ・ザ・デッド』“Day of the Dead”
1968年から、78年、85年と発表されたジョージ・A・ロメロ
監督による元祖ゾンビ3部作。その最終章『死霊のえじき』
のリメイクとされる作品。
ロメロ監督のオリジナルは、ゾンビによって地上がほぼ制圧
された後の世界を描いたもので、前半は何か牧歌的な雰囲気
の作品だった記憶がある。それに対して本作では、ゾンビ発
生の状況から説明されているもので、オリジナルはそんな話
ではなかったから、これでどこがリメイクなのかという話に
もなるものだ。
でもまあ強いて言えば、主人公にフレンドリーなゾンビが出
てきたり、廃棄された軍事基地が舞台だったりとか…となり
そうだが、正直なところはあまり関係はない。しかし本作の
権利関係はいろいろ複雑なようで、本作はちゃんとロメロの
名前がクレジットされた作品になっている。
そんな作品だが、脚本は2000年の『ファイナル・デスティネ
ーション』第1作(これは秀作)を手掛けたジェフリー・リ
ディックで、監督は1986年の元祖ホラコメ『ガバリン』や、
1999年『UMA/レイク・プラシッド』などのスティーヴ・
マイナーだから、それなりの作品ではある。
しかも出演は、主演が1999年『アメリカン・ビューティ』で
正にタイトルロールを演じたミーナ・スヴァーリ、相手役に
は最近歌姫との電撃結婚が話題のニック・キャノンという…
この手の作品にしてはかなり話題豊富な顔ぶれなのだ。
ただし登場するゾンビは、2004年リメイク版『ドーン・オブ
・ザ・デッド』を引き継ぐ走り回る奴で、この設定にも最初
はかなり面食らったものだが、結局今回のリメイクシリーズ
はそういうコンセプトになったようだ。
で、お話はというと、オリジナルが好きだった『ドーン…』
に比べると、まあ許せるというか、それなりにはなっている
ものだ。特に若者向けには、地名や固有名詞などでいろいろ
とくすぐりも入っていて、その辺は上記の出演者と共に話題
にしてもらえそうだ。
これ以上はとやかく言っても始まらないので、オールドファ
ンとしてはこんなところで終りにしておきたい。なおこれで
元祖ゾンビ3部作は全てリメイクされたことになるが、これ
で終りと思いきや、情報では“Dawn of the Dead 2”という
計画も進んでいるようだ。
『レッドライン』“Redline”
時速360kmで疾走するスポーツカーを描くアクション映画。
物語は、映画プロデューサー、東洋人の企業家?、宗教家、
ミュージシャンという4人の金満家が大金を賭け合って開催
する違法な路上レースや、サーキットレースを背景としたも
の。そのレースは高度にチューンアップされた世界の名車で
争われるというお話だ。
そのレースに自動車整備工場の一家が巻き込まれるのだが、
この整備工場というのが母親中心で運営されていて、何とな
くウォシャウスキー兄弟監督の『スピード・レーサー』を思
わせ、さらにその娘のドライヴテクニックが抜群で…という
展開になって行く。
映画全体のコンセプトは、ロブ・コーエン監督の『ワイルド
・スピード』に共通する(因に、『ワイルド…』の製作中の
タイトルは“Redline”だった)が、コーエン作品が純粋に
スピードと、また路上では華麗なカースタントで魅せていた
のに対して、本作はかなり強引で泥臭く、これこそワイルド
という感じなものになっている。
つまり本作は、上で引き合いに出した2作の影響下で作られ
たことは明らかだが、ここには正にBムーヴィの精神と呼べ
るものが生きている感じもして、その辺は嬉しくもなってく
る作品だった。
監督は、2006年に公開された『エンド・ゲーム』のアンディ
・チャン。彼はジャッキー・チェンのスタント吹き替えでも
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05月31日(土)
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