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On the Production
by 井口健二
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■第159回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。       ※
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 今回は記者会見の報告から。
 20年ぶりのシリーズ復活にして第4作の『ランボー/最後
の戦場』の公開を前に脚本、監督、主演のシルヴェスター・
スタローンと共演者2人による来日記者会見が行われた。
 その模様はすでに各社報道でも紹介されているものだが、
ここでは少し補足させてもらうことにしたい。それはまず、
シリーズの次回作について、メキシコで現実に起きている女
性の行方不明事件を扱い、すでに500人以上が拉致されたと
見られる女性たちの救出に向かう内容にするという点だ。
 ここまではすでに報道されているものだが、実は、会見で
はその前にスタローンが邦題につけられた副題について通訳
の人に質問していて、通訳はそれに“final battlefield”
と答えているように聞こえた。そこでスタローンは、次回作
の質問が出たときに、「もはやランボーが戦場に向かうこと
はないと思う。しかし彼は常に戦うヒーローだから、今後は
このような身近な問題でその能力を発揮するのだ」と説明し
ていたのだ。
 つまりこれは、配給会社が付けた副題にも花を持たせたも
ので、なるほどと思わせる上手い回答だった。もちろん続編
の計画は実際にもあるのだろうが、ここではいろいろな状況
も判断しての発言という感じで、スタローンの気配りにも感
心させられた。
 因にこの作品の原題は、ただ“Rambo”というだけだが、
これにはちょっと経緯がある。実は1982年の第1作の原題は
原作の小説に沿ったもので“First Blood”とされていた。
そして第2作では“Rambo: First Blood U”と題され、第
3作で“Rambo V”となった。つまり“Rambo”単体の原題
は今までにはなく、それが第4作にして初めて付けられたの
だ。従ってそれなりの拘わりのある原題だったとも思える。
 という原題の経緯だが、日本の場合は第1作の時にすでに
『ランボー』の邦題が付けられていたもので、今回の第4作
を直訳では第1作と同じになってしまう。そこで『ランボー
/最後の戦場』という邦題になっている訳だが、上記の発言
では、この邦題に対しても、スタローンから直々のお墨付き
を貰えたという感じになったものだ。
 ただし、これで次回作が出来ても邦題はOKだが、原題の
方は一体どうするのだろう。ちょっと気になるところだ。
        *         *
 ところで、『ランボー/最後の戦場』の日本配給はギャガ
・コミュニケーションズが行うが、実はこの会見の直前に、
同社の配給で3月9日付で特別映像を紹介した『センター・
オブ・ジ・アース3D』の公開が延期になったことが報じら
れた。そこで会見の前に個人的にギャガの担当者を捉まえ、
そのことを質問してみた。
 その回答によると、実は全国的な3D上映を目指して、デ
ィジタル館以外でも3D上映できるシステムを検討したが、
結局、2種類の上映形態を実施するのは、フィルムの準備な
どでかなり経費が増大することが判明した。それなら今秋以
降ディジタル館の館数が拡大するという情報もあり、特に、
来年3月以降には3D映画の公開も相当に増えるので、その
直前のお正月映画として公開するのがメリットが大きいとい
う判断になったそうだ。
 僕自身、ディジタル以外の3D上映を併用するのは画質の
点などで危惧もあったので、この判断は正しいと考えるが、
担当者氏は、「公開は必ずしますので、よろしくお願いしま
す」とのことなので、それまでじっくり待つことにしたい。
なおディジタル化の進んでいるアメリカでの公開は予定通り
8月末に行われる模様で、その評価も楽しみなところだ。
        *         *
 以下は、いつもの製作ニュースを紹介しよう。

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05月15日(木)
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