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On the Production
by 井口健二
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■ランボー最後の戦場、グーグーだって猫である、アクロス・ザ・ユニバース、スカイ・クロラ
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※
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『ランボー最後の戦場』“Rambo”
1982年から88年に3作品が製作された『ランボー』シリーズ
の20年ぶりの第4作。なお本シリーズでは初めてシルヴェス
ター・スタローンが監督も務めている。
第1作ではアメリカ国内で帰還兵の怒りを描き、第2作はヴ
ェトナムを舞台に未帰還兵の奪還を行う。そして第3作では
アフガニスタンでソ連の軍団と戦ったジョン・ランボー。そ
のランボーが第4作で登場するのはビルマ国境のジャングル
地帯。
ここでランボーは、小さなボートを操り、蛇を採集するなど
して静かに暮らしていた。ところがそこに、ビルマのカレン
族に医薬品を届けようとする宗教家の1団が現れる。その熱
意にほだされたランボーは、彼らを危険な川の上流に送って
行くことにするが…
それから何日かたったある日、1人の男が現れ、先に送られ
たグループが帰還しないため傭兵を雇ってその奪還に向かう
から、彼らを送った先まで連れて行ってくれと頼まれる。そ
してその依頼を受けたランボーの内には、フツフツと戦士の
血が滾り始めていた。
極めて微妙な地域を舞台にした作品だが、映画自体は戦争ア
クションとして普通に楽しめる娯楽作品になっている。ただ
その背景は多少なりと描かれてはいるもので、注意して観て
いればミャンマーの現状も垣間見えてくるものだ。
それは、今年1月に紹介した『ビルマ、パゴダの影で』では
描き切れなかった部分が、ここに再現されているとも言える
作品になっている。とは言っても、娯楽作品の範囲であるこ
とは変わりないものだが、そんな制約の中では良くやってい
る方だろう。
正に秒殺と言えるランボーのテクニックなどは健在で楽しめ
るし、また今回は撮影にタイ映画のスタッフが加わったよう
で、その物量を掛けた戦闘シーンにも見応えがあった。
共演は、『バイオハザード3』や『アナコンダ2』にも出て
いたマシュー・マースデン、次回“Saw V”に出演している
ジュリー・ベンツなど。
因に、本作の日本公開ではR−15指定を受けることになって
いる。これは地雷爆発のシーンなどがリアルに描かれている
ためで、それは修正することもできたが、これらのシーンは
映画がミャンマーの実情を描くために必要なものだとして、
あえて修正せずにそのまま公開に踏み切るとのことだ。
ただし、原語の台詞でははっきりとBurma(ビルマ)と発音
されているものが、字幕ではミャンマーとなるのは、政治的
に仕方がないことのようだ。
『グーグーだって猫である』
大島弓子原作の自伝的エッセイ漫画の映画化。原作は現在も
角川書店発行『本の旅人』に連載中とのことだ。
東京の吉祥寺を舞台に、人気漫画家の許にやってきた猫と、
漫画家やそのアシスタントたちの生活が描写されて行く。
その漫画家は、サバと名付けた猫を10年以上に亙って飼って
いたが、ある締め切りに追われて徹夜した日に、その猫は誰
にも看取られないまま死んでしまう。そのショックで腑抜け
のようになってしまった漫画家は、やがてグーグーと名付け
る別の猫を飼うが…
この猫を縦糸に、漫画家の淡い恋物語やアシスタントの決心
などが、井の頭公園や動物園などの四季の風景と共に描かれ
る。また、吉祥寺の街もいろいろ描かれ、ちょうど試写会の
前日にサトウのメンチを食べたばかりの僕には、特に嬉しい
作品だった。
出演は、漫画家役に小泉今日子、そのアシスタント役に上野
樹里。他に、加瀬亮、林直次郎、お笑いトリオの森三中、小
林亜星、松原智恵子らが共演。また『SAYURI』で主人
公の少女時代を演じた大後寿々花も出演している。
脚本・監督は、『ジョゼと虎と魚たち』や『メゾン・ド・ヒ
ミコ』の犬童一心。監督は年1作程度のペースで撮っている
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05月04日(日)
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