ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460285hit]
■第157回
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。 ※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
今回はこの話題から。
ジェイスン・ボーン・シリーズの原作者で、2002年に亡く
なったミステリー作家ロバート・ラドラムが、『ボーン・ア
イデンティティー』の原作本の刊行の前年1979年に発表した
長編小説“The Matarese Circle”(邦訳題:マタレーズ暗
殺集団)の映画化権を、MGMがリレイティヴィティー・メ
ディアと共同で獲得したことが発表された。
この原作は、米ソ冷戦時代を背景にしたものだが、アメリ
カのCIAとソ連のKGBの敏腕捜査官が、マタレーズと名
告る国際的な暗殺団の撲滅のため協力せざるを得なくなると
いう、ちょっと捻った作品。そしてこの作品には、1997年に
“The Matarese Countdown”(マタレーズ最終戦争)という
続編も発表されており、映画化ではシリーズ化も期待される
ものとなっている。
このためこの映画化権に対しては、ボーン・シリーズを手
掛けるユニヴァーサルを始め各社も獲得を目指していたもの
だが、前ユニヴァーサルの首脳でボーン・シリーズにも関っ
たメアリー・パレントが、現MGM代表として300万ドルの
契約金で獲得に成功した。その他に200万ドルで、『ワイル
ド・スピード2』や“3:10 to Yuma”のリメイクなどを手掛
けたマイケル・ブラント、デレク・ハースによる脚色も契約
されているようだ。
製作時期などは未定だが、主演にはデンゼル・ワシントン
が期待されているとの情報もある。
因に、ジェイスン・ボーン・シリーズは、既に映画化され
た3作でラドラムの原作は終っているものだが、実は映画化
後に同じ主人公による続編が他の作家によって書き継がれて
おり、現在その映画化を続けるかどうか検討が進められてい
るようだ。それと同様のことは『マタレーズ』2作の主人公
ブランドン・アラン・スコフィールドにも言えることで、ワ
シントンによる映画化が成功したら、MGMとしては第2の
ジェームズ・ボンドを狙うことになりそうだ。
* *
『ホテル・ルワンダ』などを手掛けたエンドゲーム社が、
2006年にキム・ベイシンガーとダニー・デヴィートが共演し
た“Even Money”なる作品を手掛けているロバート・タネン
という脚本家が執筆した“Hungry Rabbit Jumps”と題され
たオリジナル脚本の権利を獲得し、トビー・マクガイアの主
演で映画化する計画を発表した。
この作品の詳しい内容は明らかにされていないが、ジャン
ルはドラマティック・スリラーとされおり、デイヴィッド・
フィンチャー監督の1997年作“The Game”(邦題:ゲーム)
を継承する作品とも言われている。
因に、“Spider-Man 4”の噂も絶えないマクガイアの動き
は活発で、この発表の前には、“Afterburn”と題された太
陽の変動によって高温化し荒廃した地球を舞台に、美術品の
回収を行う人々を描いたSF作品の計画や、発表の直後にも
ワーナー・インディペンデンスとの共同で“Marry Him! The
Case for Settling for Mr.Good Enough”という雑誌記事の
映画化権を獲得したことも発表されている。
また、第144回で紹介したジェイク・ギレンホールと兄弟
役で共演の“Brothers”(スサンネ・ビア監督『ある愛の風
景』のリメイク)の撮影が完了している他、『ズランダー』
などのベン・スティラー監督主演作品“Tropic Thunder”に
もゲスト出演している。
さらに、障害者に扮する“Quiet Type”や、日本製アニメ
『超時空要塞マクロス』を映画化する“Robotech”、父子詐
欺師物の“Hot Plastic”、コロンビアで進めている“Tokyo
Suckerpunch”“Everything Changes”等々、マクガイアの
スケジュールはスパイダーマン以上に大忙しのようだ。
[5]続きを読む
04月15日(火)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る