ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460285hit]

■春よこい、カスピアン王子(特)、ラスベガスをぶっつぶせ、闇の子供たち、長い長い殺人、リボルバー、ブルー・ブルー・ブルー
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。     ※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
『春よこい』
殺人を犯して逃亡した夫であり父親である男性を待つ家族を
描いた作品。
主人公の一家は代々釣船屋を営んでいたが、夫はもっと実入
りの良い漁師を目指して高速船を購入する。しかし、漁師は
一朝一夕にできるものではなく、嵩んだ借金は悪質な取り立
て屋の手に渡って、しつこく男がやってくるようになる。
そして、その取り立てが暴力的になったとき、夫は行き掛か
りでその取り立て屋を殺害、そのまま高速船で逃亡。やがて
船は見つかるが、夫の姿はなく行方不明となる。そして交番
には、指名手配の写真入りポスターが張り出される。
やがて4年が経ち、9歳になった息子は父親の顔を忘れまい
と、交番の前でポスターに見入るようになる。しかしその姿
が新聞に報道され、事件を忘れかけていた町の人々は再びそ
のことを口にするようになってしまう。このため家族への嫌
がらせも始まる。
その息子の担任教師は、実は記事を書いた記者の妹で、状況
に苦慮することになるが、その記者の側にも報道を行うある
事情があった…
出演は、工藤夕貴、西島俊秀、時任三郎、宇崎竜童、吹石一
恵、高橋ひとみ、それに子役の小清水一揮。因に、工藤の日
本映画での主演は久しぶりのことだったようだ。
監督は、『オリオン座からの招待状』などの三枝健起。また
主題歌を『涙そうそう』の夏川りみが歌っている。
報道のあり方を問うという観点では、かなり微妙なところを
描いている作品だろう。記者側の言い分にも一理はあるのだ
が、犯罪者ではない息子の姿を無断で掲載するのは、やはり
プライヴァシーの侵害に当ると思われるものだ。
ただしこの物語では、その記者の側の事情にも微妙なところ
があって、その点からは報道の是非というより別の面が描か
れる。そこらの人間ドラマは確かに面白いし、これによって
家族のあり方のようなものが際立たされることは確かなのだ
が…
なお、映画の後半にはちょっとしたサスペンスの展開があっ
たりもして、その構成はなかなか面白かった。でもまあ、こ
れをしてしまうのも、多少問題であろうとは思えるところだ
が。

『カスピアン王子の角笛』(特別映像)
5月21日に日本公開される『ナルニア国物語/第2章カスピ
アン王子の角笛』の特別映像の上映と、カスピアン王子役の
ベン・バーンズ、それにプロデューサーのミニ記者会見が行
われた。
作品の予告編はウェブなどでも観ることができるが、今回は
VFXなどが未完成のシーンも含まれているとのことで、実
際にタムナスさんの末裔と思われる人々の中に、青タイツ姿
の俳優がいたり、吊り用のワイアーハーネスが消されていな
かったりもしていたものだ。
それに、内容的にはいろいろな戦闘シーンの羅列が多く、そ
れぞれ目新しさはあったが、物語や製作状況などに新たな情
報が公開されたというほどのものではなかった。
ただ導入部分で予告編には出てこない、子供たちのロンドン
での生活ぶりなどがあって、そこは物語の展開として納得で
きたものだ。また、ナルニアの民たちとの交流シーンは、予
告編には未公開で、ここに未処理の青タイツも出てきたが、
VFXにはかなりの苦労がありそうだった。
それとは別に日本版の予告編が物語重視でアメリカ版より良
いとのことで、その上映も行われた。確かにその予告編は、
ウェブで観ていたアクション中心のアメリカ版より物語への
誘いとしては良い感じのものだった。
ただしこれは、原作の認知度の点でアメリカの観客との差が
あるためとも思われるし、それぞれのお国柄もありそうだ。
なお、ミニ記者会見では、プロデューサーから次回作“The
Voyage of the Dawn Treader”への言及があったり、バーン
ズのサーヴィス精神旺盛な応対もあって、いろいろな意味で

[5]続きを読む

03月30日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る