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On the Production
by 井口健二
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■光州5・18、僕の彼女はサイボーグ、パリ恋人たちの2日間、●REC、ミラクル7号、おいしいコーヒーの真実、歩いても歩いても
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。     ※
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『光州5・18』“화려한 휴가”
1980年5月、韓国全羅道光州で発生した軍による民間人弾圧
事件を描いた作品。
先に紹介した『なつかしの庭』では、事件の渦中にあった運
動家のその後の悲劇を描いていたが、本作では事件そのもの
が再現されている。その中で市民軍は、一旦は戒厳軍の撤退
を勝ち取るが、最後は戒厳軍の総攻撃によって壊滅する。
その犠牲者の数は公式発表で186人とされているが、巷では
2000人以上とも言われ、公的な追跡調査は現在も行われてい
ないそうだ。
事件は、もちろん軍政下の言論統制など不自由な政策に対す
る不満などが直接の原因とされるが、その背景はいろいろあ
るようだ。その辺の状況は韓国民であれば直ちに判るのかも
知れないが、それが判らない自分には、その点が心苦しくも
感じるところであった。
実際、この映画を観ていると、最初に空挺部隊が南方に飛ん
で行く状況から理解できないもので、何故に軍政権がここま
で全羅道を弾圧しようとしたのか、その状況も判らない。さ
らに、それに従順に従うだけの兵士たちの思考も判らないも
のだ。
状況としては、4月の新学期から全国規模で始まった学生運
動が5月に入って沈静化したが、その中で全羅道だけが運動
が継続していたなどの問題があったようだ。しかし、韓国人
なら当然知っているはずのその状況が僕には不明だった。
しかもそうなるまでの全羅道の地域性など、多くのことがこ
の映画には描かれているようで、それらのことをもっと詳細
に知りたくなるのも、この映画の副次効果のように思えた。
それらの点の一部は、韓国の観客にとっても同じなのではな
いかとも思える作品だ。
韓国民にも知らされていない多くのことが、この事件の背景
には隠されているようにも見えた。それらは、今後に製作さ
れる映画の中でいろいろ明らかにされるのかも知れない。も
ちろんそれは、このような映画を製作する傾向が続いて行け
ばのことだが…
監督は、前作はコメディ映画というキム・ジフンの第2作。
出演は、『殺人の追憶』のキム・サンギョン、宮崎あおい共
演『初雪の恋』のイ・ジュンギ、『小猫をお願い』のイ・ヨ
ウォン、『酔画仙』のアン・ソンギなど。主な配役は、全員
が市民側の登場人物という作品だ。

『僕の彼女はサイボーグ』
『猟奇的な彼女』などのクァク・ジェヨン脚本・監督による
新作。ただし主演は綾瀬はるか、小出恵介、舞台は東京で、
製作費も日本側が調達した日本映画ということになる。
主人公は、誕生日を祝ってくれる友もいない孤独な大学生。
彼は、誕生日には自分自身に宛てたプレゼントを買い、レス
トランで1人スパゲッティを食べる。それが例年の行事だっ
た。ところがその年の誕生日はちょっと違っていた。
2007年11月22日の誕生日。彼は街で出会った1人の女性との
時間を過ごす。それは正に夢のような時間だった。しかし、
その夢の時間が過ぎたとき、女性は彼の前を去ってしまう。
そして、そんな彼女を思い続ける彼の前に2008年11月22日、
彼女は再び現れる。
実は、彼女の実体は未来から来たサイボーグで、その出現は
彼の生活にいろいろな変化をもたらすが…
そのサイボーグは、彼を危機から救うために未来の自分が送
り出したものだという。しかし1つの危機を脱すると、歴史
はそれを修復するため別の危機を生じさせる。だから、最後
の日まで彼と一緒にいて彼を守り続けると言うのだが…
未来の自分が過去にサイボーグを送り込むということでは、
『ターミネーター』か『ドラえもん』の流れとなりそうだ。
さらに彼の危機を救うということでは、『T2』以降の『タ
ーミネーター』が基本と言えそうだ。
しかも、1つの危機を回避すると、別の危機が招来されると

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03月16日(日)
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