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On the Production
by 井口健二
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■第155回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。 ※
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まずは記者会見の報告から。
3月3日に『魔法にかけられて』のジャパン・プレミアに
伴う記者会見が行われ、ケヴィン・リマ監督、作曲アラン・
メンケン、そして弁護士役で出演パトリック・デンプシーの
話を聞くことができた。正直に言ってこの顔触れでは、自分
の専門分野としてはあまり聞くことはなかったのだが、質問
が途切れそうになったので手を挙げた。その質問内容は、大
ベテラン作曲家のメンケンを前にして、リマ監督がどのよう
なコラボレーションをしたのかというものだったが…
その答えでは、意外なことに監督が参加した時点ではまだ
物語のコンセプトがあるだけで、音楽は作られていなかった
のだそうだ。そこから監督と作曲家の話し合いによって音楽
も作られて行ったとのこと。しかもメンケンからは、「監督
は最初の話し合いの時にすでに楽曲の題名も考えていて、こ
んな熱心な監督は珍しいと思った」という発言も出てきた。
さらに今回歌の無かったデンプシーからも、続編には自分用
の歌も作って欲しいという要望も飛び出すなど、かなり熱心
に答えてもらえた。
というのが僕の質問に対する反応だったが、監督の参加時
点で音楽がなかったというのは意外だったし、また、ここで
続編の話題が聞けたことは、このページの主旨としても嬉し
かった。その続編が実現するかどうかはまだ不明だが、メン
ケンの様子は満更でもない感じで、海外での興行成績も順調
のようでもあるし、これは期待して待ちたいところだ。
以下は、いつもの製作ニュースを紹介しよう。
* *
まずは、海外では昨年後期に公開された“Youth Without
Youth”で、公式には1997年の『レインメーカー』以来10年
ぶりの監督に復帰したフランシス・フォード・コッポラが、
オスカー助演賞を受賞したハヴィエル・バルデムを主演に迎
えて、“Tetro”という新作の撮影を3月31日に開始する。
内容は、ブエノスアイレスを舞台にした「悲劇と裏切りで
損われた家族の物語」とされており、コッポラの自伝的な要
素も含まれているとのことだ。ただし、完全な自伝ではない
としている。
コッポラ家の悲劇というと、家族の死などいろいろ想像で
きるものもあるが、裏切りの部分は…、いろいろ話題になり
そうだ。共演は、ヴィンセント・ギャロ、それに『パンズ・
ラビリンス』などのマリベル・ヴェルドゥ。バルデムがコッ
ポラを演じるとして、ギャロは息子かニコラス・ケイジ?
ヴェルドゥは夫人か、それともソフィアなのだろうか。
なお、ギャロの起用に関しては、「意外と感じる人もいる
と思うが、そういう人たちを驚かせるようなものをお見せす
る」と、コッポラは語っている。
因に、コッポラの監督復帰を「公式には」と書いたのは、
2000年のSF映画『スーパーノヴァ』があるためだが、この
作品ではウォルター・ヒルの降板の後、コッポラは編集のみ
担当したというのが定説のようだ。
また、前作の“Youth Without Youth”は、ティム・ロス
主演で、第2次世界大戦前のヨーロッパを舞台にした生命の
神秘に関わる物語とのこと。10月20日に開催されたローマ国
際映画祭でワールドプレミアされている。難解という評価が
多いが、かなり幻想的なシーンも登場する作品のようだ。
* *
お次は、『レミーのおいしいレストラン』でオスカー長編
アニメーション賞を受賞したブラッド・バード監督が、次回
作では、ピクサー/ディズニーとワーナーの共同製作による
実写作品に挑戦する計画を発表した。
作品は“1906”と題されたもので、内容は、現代の大学生
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03月15日(土)
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