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On the Production
by 井口健二
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■第153回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。       ※
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 次世代DVDの争いは、東芝HD-DVDの撤退で決着が着いた
ようだが、それはさて置き、ハリウッドも脚本家組合のスト
ライキが終結して動きが活発になってきた。今後のスケジュ
ールとしては、監督組合と映画テレビ製作者同盟(AMPT
P)との交渉はすでに妥結(これが脚本家組合のスト終結の
目安となった)、また俳優組合との交渉も近日中に開始され
るとのことで、夏に予定されていた両組合のストライキも回
避の可能性が高くなってきたようだ。これで昨年末から滞っ
ていた映画製作も順調になりそうだ。
 ということで、24日のアカデミー賞受賞式も例年通り行わ
れそうだが、今回は賞の関連で、前々回に候補作を報告した
第6回VES賞の結果(映画関係のみ)から報告しよう。
 まず受賞したのは、VFX主体の映画におけるVFX賞が
『トランスフォーマー』。VFX主体でない映画におけるサ
ポートVFX賞は『レミーのおいしいレストラン』。単独の
VFX賞は『トランス…』の砂漠のハイウェイ。
 また、実写映画でのアニメーションキャラクター賞は『パ
イレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』のデイヴ
ィ・ジョーンズ。アニメーション映画でのキャラクター賞は
『レミー…』のコレット。アニメーション映画でのFX賞は
『レミー…』の料理。
 さらに、実写映画での背景賞は『パイレーツ…』の渦潮。
ミニチュア賞は『トランス…』。合成賞も『トランス…』。
特殊効果(SFX)賞は『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士
団』と決まった。
 結局、『スパイダーマン3』は無冠に終ったが、『トラン
ス…』の4冠は見事なものだし、キャラクター賞と背景賞で
『パイレーツ…』に勝てなかったのは仕方ないところだ。一
方、アニメーション作品では『レミー…』が3冠で、どちら
も順当というところだろう。
        *         *
 続いては前回報告を忘れたアカデミー賞の候補作を紹介し
ておこう。
 先ず、VFX賞で最終3本に残ったのは、『ライラの冒険
/黄金の羅針盤』『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワール
ド・エンド』『トランスフォーマー』。まあ、『スパイダー
マン』と『ハリー・ポッター』は最初から無い訳だし、これ
はVES賞と比較しても順当なところだ。
 またメイクアップ賞は『エディット・ピアフ』“Norbit”
『パイレーツ…』。この内、“Norbit”は候補者が日本人で
あることでも話題になっている。さらに長編アニメーション
賞は『ペルセポリス』『レミー…』『サーフズ・アップ』が
3本の候補となった。『レミー…』以外はちょっと意外な感
じもしたが、いずれにしても受賞作は、他の評価から見ても
最初から決まっているようなものだ。
 この他の候補は作品別に見ていくと、『つぐない』が助演
女優、美術、撮影、衣裳、作曲、作品、脚色の7部門。『潜
水服は蝶の夢を見る』が撮影、監督、編集、脚色の4部門。
『魔法にかけられて』が歌曲賞5候補のうち3候補を独占。
『ライラの冒険』がVFX賞と美術賞。『告発のとき』が主
演男優賞。『君のためなら千回でも』が作曲賞。『エディッ
ト・ピアフ』がメイクアップ賞と主演女優賞、衣裳賞。『フ
ィクサー』が主演男優、助演男優、助演女優、監督、作曲、
作品、脚本の7部門。『レミー…』が長編アニメーション、
作曲、音響編集、音響、脚本の5部門。『シッコ』が長編ド
キュメンタリー賞。『スウィーニー・トッド』が主演男優、
美術、衣裳の3部門。『トランス…』がVFX賞と音響編集
賞、音響賞などとなっている。
 発表受賞式は、日本時間の2月25日に行われる予定だ。
        *         *

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02月15日(金)
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