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On the Production
by 井口健二
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■第150回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。       ※
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 明けましておめでとうございます。
 年初に個人的な話で恐縮ですが、実は昨年末に勤務先を退
職し、しばらくはフリーで映画中心の生活を満喫することに
なりそうです。そこで、今まで遅れ気味だった製作ニュース
の更新も出来るだけ1日、15日の定期に行うようにし、また
映画紹介は、毎週日曜日に週報の形で更新したいと思ってい
ます。出来る限り頑張りますので、これからもよろしくお願
いいたします。
        *         *
 では、新年最初のニュースは、この待望の話題から。
 “Lord of the Rings”を巡るピーター・ジャクスンと、
配給会社ニューラインの裁判が最終的に決着し、“LOTR”の
前日譚となる“The Hobbit”(ホビットの冒険)の映画化が
正式に発表された。しかもこの映画化には、1977年に同作の
アニメ版を手掛けたMGMが共同製作で参加、万全の体制で
の製作が進められそうだ。
 なお映画化は、ビルボ・バギンズが「指輪」を手に入れる
までを描いたJRR・トールキンの原作と、さらにそこから
発展させて、ジャクスンらが検討した『旅の仲間』までを繋
ぐ新たな物語が作られ、これらの物語がそれぞれ実写で2本
同時に製作される。また撮影は2009年に開始され、2010年、
2011年の連続公開が予定されている(一時は、3部作という
情報もあったが、今のところは2部作になるようだ)。
 ただし、ジャクスン自身が監督を手掛けるかという点はか
なり微妙で、実は現在製作中の“The Lovely Bones”が完了
するまでは具体的には動けないという事情もあるようだが、
その後にはスティーヴン・スピルバーグと共同でコミックス
を映画化する“The Adventure of Tintin”の計画も進んで
いて、スケジュールは満杯の状態。
 このため『ホビット』の監督は他人に任せる可能性が高い
とのことで、その監督には、以前にも紹介した『スパイダー
マン』のサム・ライミが最有力候補として取り沙汰されてい
る。因にライミ監督は、以前インタヴューで、「ジャクスン
が監督するなら、それに越したことはない」とも発言してい
るが、やれるならやりたいという意志表明も行っており、製
作者たちも替えるならライミしかないという意見のようだ。
さてどうなるのだろうか。
 映画の配給は、アメリカ国内ニューライン、海外はMGM
という振り分けになるようだ。
        *         *
 ところで、ジャクスンとスピルバーグが進めている“The
Adventures of Tintin”の製作では、原作のキャラクターの
イメージを壊さないために、フルディジタルの3Dアニメー
ションによる映画化が発表されているが、そのためのモーシ
ョンキャプチャーを行う演技者として、アンディ・サーキス
の出演契約が発表されている。
 サーキスは、“LOTR”でゴラム=スメアゴルを演じ、さら
にジャクスン監督版“King Kong”でもコングの動きを担当
した人だが、今回の契約では、Tintin以外の1または複数の
役柄を演じるとされている。つまり、主人公Tintinのモーシ
ョンキャプチャーには別の俳優が起用されるようだが、サー
キスにも複数本の出演契約がされているとのことで、3部作
が予定されているシリーズに繰り返し登場する役柄の配役と
なりそうだ。
 なお撮影は、最初の1本が2008年9月に開始の予定で、ジ
ャクスンとスピルバーグはキャスリーン・ケネディと共に製
作も担当し、それぞれが少なくとも1本を監督するとなって
いる。撮影は、ジャクスン主宰のニュージーランドのVFX
工房Wetaディジタルで行われ、製作会社はドリームワー
クス、配給はパラマウントが担当する。
        *         *

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01月01日(火)
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