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On the Production
by 井口健二
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■第149回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。       ※
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 まずは記者会見の報告から。
 『ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記』の
主演者3人及び製作者、監督の来日記者会見が、何故か試写
会の2日前に行われ、まだ本編を観ていない状況では内容に
ついては聞き難いので、前作の中国プレミアの際に報告され
た「続編はアジアで撮る」という発言について監督に質問し
てみた。
 これに対して監督からは、最初に「君らが文句ばかり言う
から、日本に来れなくなった」という、ちょっと笑い難いギ
ャグを飛ばされた後、「脚本を進めて行くうちに、この展開
なら舞台はヨーロッパの方が良いという判断になった」との
回答が出された。最初のギャグは冷や汗だったが、回答につ
いては、まあそういうことなのだろう。
 因に、本作で初めて続編に出演したというニコラス・ケイ
ジは、アメリカで行われたインタヴューで、「シリーズはイ
ンターナショナルなものになって行く。第3作ではアジアも
舞台にしたい」との発言もしており、第3作が実現したら、
中国での約束も叶うかも知れない。それを期待しておくこと
にしよう。
 以下は、いつもの製作ニュースを紹介する。
        *         *
 前回“Shantaram”の製作延期を報告したジョニー・デッ
プに、次なる計画の情報が流されている。
 計画は、ブライアン・バロー原作によるノンフィクション
“Public Enemies:America's Greatest Crime Wave and the
Birth of the FBI,1933-34”を映画化するもので、この計画
は、元々はマイケル・マン監督が、レオナルド・ディカプリ
オの出演で進めようとしていたものだ。ところが前回紹介し
たように、マン監督はトム・クルーズ主演で進めていたスパ
イスリラー“Edwin A. Salt”の撮影が脚本家ストの影響で
延期となり、そこで本作を進めようとしたら、今度はディカ
プリオが、第146回で紹介したマーチン・スコセッシ監督の
“Shutter Island”に出演のため参加できなかった。
 この状況下で、マン監督とデップの話し合いが行われたと
のことで、デップ主演による映画化が濃厚だとされる。なお
物語は、銀行強盗犯ジョン・デリンジャーとFBIとの対決
を描くもので、デップはデリンジャーを演じる。
 因にデリンジャーは、題名の通り「社会の敵」と呼ばれる
ほどの悪人とされているが、実はこの言葉は、その逮捕に向
かった当時創設されたばかりのFBIが、誤って一般市民を
射殺したことがあり、その失態を隠すためにフーバー初代長
官が言い出したものとのことだ。
 確かに銀行強盗を繰り返し、警官1人を射殺(彼が生涯に
殺人を犯したのはこのときだけとも言われている)したりも
しているが、銀行に押し入った際に、居合わせた客からは一
銭も奪わなかったなど、義賊的なイメージもあるとされる。
また、何度逮捕されても見事に脱獄してみせるなどヒーロー
的な要素もあるようだ。この辺は、“Shantaram”の主人公
にも似ているものだ。
 なお、この原作の映画化権はロバート・デニーロが保有し
ている。このためデニーロはこの計画に製作総指揮としては
関わっているが、出演は未定。撮影は順調に行けば3月から
シカゴで行われることになる。
 またデップは、第115回で紹介した“The Rum Diaries”が
一時“Shantaram”に続けて春以降の撮影で予定されていた
が、現状ではそれも延期になっているようだ。
        *         *
 『スター・ウォーズ』『トリプルX』などのシリーズの脇
役でも怪優ぶりを発揮しているサミュエル・L・ジャクソン
に、2本の主演作品の計画が発表されている。
 その1本目は、バーニー・マック共演のコメディで“Soul

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12月15日(土)
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