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On the Production
by 井口健二
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■シナモン+、東京少女、ちーちゃんは…、アドリブナイト、はじらい、4ヶ月3週と2日、ジプシー・キャラバン、アイ・アム・レジェンド
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※
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『シナモン the movie』『ねずみ物語』
サンリオ製作によるアニメーションで、『シナモン…』は商
品キャラクターの映画化、『ねずみ…』は辻信太郎著の絵本
の映画化となっている。
どちらもお子様向けの他愛ない作品ではあるけれど、大人の
目で見ると、いろいろ考えさせられるものも持っている。そ
れに、特に『ねずみ…』に関しては、短い時間の中で冒険の
旅がバランス良く描かれていた。
上映時間は、それぞれ45分と53分。幼い子供の興味を引き付
けられるのはこの辺が限度というところだろう。その短い時
間の中で良く纏まりのある物語を展開しているものだ。
まず、『シナモン…』は、発表5周年を迎えるキャラクター
だそうで、基本は小犬のようだが、物語では雲から生まれて
地上に落ちてくることになっている。そこで人間の女性アン
ナに拾われ、彼女が開いているカフェで仲間たちと出会う。
ところがアンナの後を着けている奴がいて、そいつは生半可
な魔法でシナモンとアンナの間を邪魔しようとするのだが…
この悪役チャウダーの存在がストーカーのように描かれてい
て、その感情のエスカレートぶりなどが、それなりに現代的
な物語になっている。
監督は杉井ギサブロー。実は評判の『あらしのよるに』は、
物語的にあまり気に入らなかったものだが、今回は物語も納
得できた。また声の出演は、シナモンとその仲間達は声優が
担当し、アンナを石原さとみ、そしてチャウダーその他を陣
内智則が演じている。
一方の『ねずみ…』は、山奥の古い屋敷に暮らすネズミ一族
の物語。そこではもちろん人間やその他の動物と闘いながら
の生活が続いているが、一族をまとめる長老が高齢となり、
2匹の若いネズミにその跡目を継ぐための試練が課せられる
ことになる。
その2匹は、思慮深く仲間思いだが行動が伴わないジョージ
と、行動力はあるがちょっと横暴なジェラルド。そして2匹
に課せられた試練は、遠くの月の谷に赴いて、そこに棲む光
の竜を捕らえてくることだったが…
この2匹に、それぞれの相棒や勝ち気な雌ネズミなども加わ
って、冒険の旅が繰り広げられる。物語全体は、良くある冒
険ファンタシーという感じだが、これもお子様向けというと
ころでは、良い感じのハラハラドキドキになっていた。監督
は波多正美。
なおアニメーションは、『シナモン…』を韓国のスタッフ、
『ねずみ…』は中国のスタッフが担当しており、特に『ねず
み…』では要所に3DCGIまで使われていた。
また主題歌を、『シナモン…』が東方神起と、『ねずみ…』
はやはり韓国のMAYが担当している。因に、MAYは「日
本音響研究所」の調査で、「癒しの声」と証明された歌声の
持ち主だそうだ。
『東京少女』
毎年この時期になるとBS−i製作の『ケータイ刑事』シリ
ーズというのを観せられて、何と言うかアイドル偏重の学芸
会映画には、正直困ったものだと思っていたものだ。
ところが今回、その同じスタッフと、今年の1月に紹介した
シリーズの第2作に主演していた夏帆の主人公役で作られた
本作は、例年のシリーズを離れ、僕にも納得のできる見事な
SFファンタシーになっていた。
主人公は、「ファンタジーノベル大賞」を目指しているSF
少女。そんな彼女がある日、母親と訪れた都心のビルの非常
階段の手摺から誤って携帯電話を落とし、それが空中に消え
るのを目撃する。
その携帯電話は時空間を飛び抜け、約100年前の1人の青年
の頭上に落下した。彼は夏目漱石の門下生で、その日はその
場所に建っていた出版社の編集部を訪ねていたのだが、その
日も彼の作品には自分が描けてないと批評を受けていた。
こうして100年前の青年の手に渡った携帯電話は、月が上空
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12月10日(月)
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