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On the Production
by 井口健二
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■ディセンバー・ボーイズ、ビー・ムービー、潜水服は蝶の夢を見る、魁!!男塾、スリザー、ベオウルフ、ブラザー・サンタ
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※
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『ディセンバー・ボーイズ』“December Boys”
『ハリー・ポッター』のダニエル・ラドクリフが出演するオ
ーストラリア映画。
1921年生れ2000年没のニュージーランド/オーストラリアの
作家マイクル・ヌーナンが、1963年に発表した原作に基づく
少年ドラマ。
孤児院で育った4人の少年たち。彼らは12月生れであること
からディセンバー・ボーイズと呼ばれていた。そんな少年た
ちが、ある年の夏休み(オーストラリアの話なので、クリス
マスや新年が含まれる)を、とある入り江に面した村で過ご
すことになる。
少年たちにとっては、生れて初めて孤児院を出ての生活。そ
こで4人は、スキッパーと呼ばれる妻とその乗組員と自称す
る夫の夫妻の家で寝起きすることになる。その村には、他に
「豪胆」と呼ばれるバイク乗りや漁師がいて、また入り江に
はヘンリーと呼ばれる幻の巨大魚が棲んでいた。
そしてそこには、養子になれるかも知れないという少年たち
の夢や、初恋や、いろいろな出来事が待ち構えている。その
夏休みが終ったとき、少年たちは一歩、大人への道を踏み出
して行くことになる。
原作では少年たちは同年代の設定のようだが、映画化ではラ
ドクリフが演じるマップスだけが少し年上の設定になってい
る。その設定の変更によって、マップスには少女との出会い
が描かれるし、他の少年たちには子供染みた争いも描かれて
おり、それなりにうまい展開にもなっているものだ。
しかし1人だけ年上というのも奇異には感じられるもので、
その辺を納得するまでには少し時間が掛かった。でもまあ、
こういう設定だからこそ成立する部分も多々ある物語になっ
ているので、これはこれでよしということだろう。
撮影はサウスオーストラリアのカンガルー島というところで
行われているが、奇岩が並ぶ山や、入り江の風景などは不思
議な雰囲気もつくりだして、それも魅力的なものだった。
ラドクリフ以外の出演者では、孤児仲間のスパークの役を、
2005年10月に紹介した『ポビーとディンガン』のクリスチャ
ン・バイアーズが演じている。また、マップスが出会う少女
役を、昨年の東京国際映画祭のコンペティションに出品され
た『2:37』(公開題名:明日、君がいない)に出演のテ
リーサ・パーマーが演じていた。
『ビー・ムービー』“Bee Movie”
TVシリーズの『となりのサインフェルド』が大人気を呼ん
だコメディアン=ジェリー・サインフェルドの製作、脚本、
さらに主人公の声優も務めたドリームワークス・アニメーシ
ョン作品。
元々はサインフェルドとスティーヴン・スピルバーグが会食
したときに、サインフェルドが即興でハチの話を思いつき、
それに低予算映画を指すBムーヴィと、ハチのBeeを引っ掛
けた“Bee Movie”という題名だけ決まって誕生した企画と
されている。
何といい加減なと思われそうだが、それから4年以上の製作
期間を掛けてじっくりと作り上げたという辺りがハリウッド
映画というところだろう。
映画の情報を扱っていると、ストーリーを事前に知ってしま
うことが多くなる。と言っても結末などのネタばれは意外と
されないもので、本作の場合は、ミツバチの主人公が人間の
女性と交流し、楽しいときを過ごしていたが、ある日、量販
されているハチミツを発見してしまう…という程度の情報だ
った。
つまり、ミツバチがせっせと集めたハチミツが人間に搾取し
ているされているという現実を、ミツバチの立場から描くと
いうものだ。なるほどこれは、ミツバチの立場からすれば一
大事だろうと思わせたものだが…
さらにそこからの展開は、見事に練られたと言えるものにな
っていた。しかも、かなり現実的な結論を、無理の無い展開
で提示しているもので、さすがにテレビシリーズの人気も伊
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11月20日(火)
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