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On the Production
by 井口健二
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■第147回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。 ※
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今回は記者会見の報告から。
日本では来年5月ゴールデンウィークに公開予定のローラ
ンド・エメリッヒ監督作品“10,000B.C.”(紀元前1万年)
の抜粋フィルム(フッテージ)を携えて監督が来日し、その
プレゼンテーションが行われた。
この作品についてはすでに何度か紹介しているが、題名の
通り紀元前1万年の世界を舞台に、原始人の生活を描いたと
いうもの。ただし監督の説明では、「これは歴史レッスンで
はない。叙事詩的かつ神秘的なスペクタクル・エンタテイン
メント作品である」となっている。
そこで紹介されたフッテージは4本で、全体の上映時間は
17分程度のもの。その1本目は、事前の情報でも流れていた
マンモス狩りのシーンで、マンモスのスタンピードと、それ
を捕えようとする原始人たちの行動が描かれていた。
ここで監督の解説では、マンモスの毛をCGIで表現する
のが大変だったそうで、最初にCGの担当者に話したときに
は、前作の『デイ・アフター・トゥモロー』で描いた水より
難しいと言下に拒否されたそうだ。しかしそれを実現してし
まった訳で、しかも2本目のフッテージでは、その水の中で
暴れるサーベルタイガーの登場となっていた。
と、ここまでは事前に情報のあった範囲だったが、この後
に紹介された2本では、物語が意外な展開となるもので…と
言っても、すでに劇場上映の予告編でも一部流れているシー
ンではあるが、自分としてはネタばれは極力避けるつもりな
ので、ここでのフッテージの紹介は以上とする。
そして、この上映後に改めて監督との質疑応答となった。
そこで、最初に僕が製作の経緯について質問をした。特に、
事前に情報のあった作曲家とのコラボレーションについて聞
いたのだが、その答えは、「元々の構想は、15年ほど前にテ
レビの科学番組を観ていて思いついた。一方、作曲家のハラ
ルド・クローサーとは古くからの友人だが、本来自分は友人
と一緒に仕事をするのは好まなかった。しかし、『デイ…』
で一緒に仕事をしていたときにこの構想を話す機会があり、
それに彼がいろいろなアイデアを出してくれた。友人と一緒
に仕事をするのもいいものだ」とのことだった。
そして、この答えを受けて次に質問した人が、製作者のデ
ィーン・デブリンとの関係を訊いた。その答えは、「彼とは
今でも一番の親友だが、今は一緒に仕事をする予定はない。
ただし、『インディペンデンス・デイ』の続編だけは別で、
今でも毎年会って構想を話し合っているのだが、それがまだ
まとまっていない」とのことだった。つまり、“ID4-2”の
計画は本当に存在しているようだ。
その他に、『GODZILLA』との関連についての質問
などもでたが、技術的な質問にも丁寧に答えてくれて、最後
に今回のエンディングクレジットは10分を超えることが表明
された。そして製作はVFXがほぼ90%仕上がっており、こ
れからは録音などのポストプロダクションを並行に行って、
1月中には完成させたいとのことだ。
物語は、監督の言うように「歴史レッスン」ではないよう
だ。しかも、ちょっとSFファンにも期待できそうな展開と
なるようで、公開が待ち遠しくなってきた。
* *
以下は、いつもの製作ニュースを紹介しよう。
最初は一般映画からで、まずはロマン・ポランスキー監督
が、イギリス政界を背景にしたポリティカルスリラーの映画
化計画を発表した。
計画されているのは、今年10月に出版されたロバート・ハ
リス原作の小説“The Ghost”の映画化。物語は、前イギリ
ス首相の「自伝」のゴーストライターを依頼された作家が、
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11月15日(木)
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