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On the Production
by 井口健二
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■第146回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。       ※
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 まずは一般映画の情報で、最初はダコタ・ファニングと、
『バベル』などに出演した妹エリの共演計画が発表されてい
る。
 計画されているのは“My Sister's Keeper”という作品。
実はこの計画、今年7月末頃にキャメロン・ディアス主演、
ニック・カサヴェテスの監督で発表されていたもので、ジョ
ディ・ピーコルトの原作を、カサヴェテス監督の『きみに読
む物語』も手掛けたジェレミー・リーヴェンが脚色、同じく
『きみに…』のニューラインで製作される。
 そして物語は、最初の発表では、ディアス扮する女性弁護
士が突然実の娘から訴訟を起こされる。その内容は、娘の妹
が血液癌に罹り、その治療のためには適合する血液が必要に
なる。そこで、離婚した父親との間に子供を作って欲しい…
というものだったが、最近の情報では、エリ扮する少女が、
姉の延命のために利用されており、その両親からの開放を求
めて訴えるという内容になっているようだ。
 原作物で、こうも内容が変化するとは思えないところで、
その事情はよくは判らないが、ファニング姉妹の共演が観ら
れることは間違いなさそうだ。なお姉妹は、2001年『アイ・
アム・サム』で同じ映画に出ているが、この時はダコタの幼
い頃をエリが演じたもので、同じ映画に出るのはそれ以来、
本格的な共演は初めてになる。また姉妹の年齢は原作より若
くなっているそうだが、これはディアスに合わせたとのこと
だ。撮影は来年3月に開始の予定。
 『バベル』でエリを見たときも、一目で判るほど良く似た
姉妹だが、初めて同じスクリーンに2人が登場するシーンが
楽しみだ。
        *         *
 前の記事にも影響は見られるが、来年夏のストライキを控
え各社の動きが急になっている。その中でも最大級の作品に
なりそうなコロムビア製作“Angels & Demons”の撮影が、
トム・ハンクス主演、ロン・ハワード監督により来年2月に
開始されると発表された。
 この作品は、2006年6月の第112回でも紹介したように、
この年の全世界興行で7億5800万ドルを稼ぎ出したヒット作
『ダ・ヴィンチ・コード』の続編(原作の順は先だが、アキ
ヴァ・ゴールズマン脚色の映画化では改訂されるようだ)。
ハンクス扮するハーヴァード大学教授ロバート・ラングドン
が、再びバチカンに関わる秘密結社の謎に挑むものだ。公開
予定は2008年12月となっている。
 原作の内容については上記の回でも紹介しているが、映画
化にはいろいろ心配もあったところで、それらがクリアされ
ていることを祈りたい。一方、脚本にはまだ改訂の余地があ
るとのことで、2月の撮影開始までにはゴールズマン以外の
アイデアも注入されることになるようだ。
 ただしハワード監督は、やはり大作で2008年後半公開予定
の“Frost/Nixon”という舞台劇の映画化を撮り終えたとこ
ろで、そのポストプロダクションを行いながらの新作の撮影
となる。これは、状況としては1993年にスピルバーグが『ジ
ュラシック・パーク』と『シドラーのリスト』を製作したと
きや、昨年イーストウッドが硫黄島2部作を製作したのと同
じだが、スケジュールに追われての作業はそれ以上に大変な
ことで、ストライキの影響はかなり深刻なようだ。
 因に、ストライキ前の撮影計画の発表は10月31日がデッド
ラインだったようで、状況はこれで把握できることになりそ
うだ。
        *         *
 またまたマーティン・スコセッシとレオナルド・ディカプ
リオが組む計画が発表されている。
 作品は、『ミスティック・リバー』などの原作者デニス・
ルヘインによる“Shutter Island”という小説の映画化で、

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11月01日(木)
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