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On the Production
by 井口健二
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■すんドめ、ユゴ、アニー・リーボヴィッツ、アース、ペルセポリス、眠れる美女、ぜんぶフィデルのせい、俺たちフィギュアスケーター
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※
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『すんドめ』
岡田和人原作、「ヤングチャンピオン」に連載中の人気コミ
ックスの実写映画化。
成績優秀でもなく、スポーツ万能でもない普通の男子高校生
を主人公にして、隣の席に美少女転校生を迎えたことから始
まる青春物語。しかも、その美少女から耳元で、「オナニー
厳禁」と言われてしまったことから主人公の苦悩が始まる。
原作は、連載が好評なだけでなく、3巻まで出ている単行本
は10万部を突破、さらに携帯配信コミックスのダウンロード
数でも記録を作っているとのことだ。
そんな人気コミックスの映画化だが、そのヒロイン役にはグ
ラビアアイドルの鈴木茜を起用して、官能シーンはないが、
かなりエッチなシーンは見事に演じさせている。と言っても
R指定になるようなものではないが、まあ男性なら楽しめる
という程度には描かれているものだ。
そして映画化では、美少女系のヒロインの対抗馬として巨乳
アイドルの次原かな扮する京子の役柄を膨らませて、二宮敦
扮する主人公との三角関係を展開させ、それなりの物語を作
り上げている。実は、最近の日本のコミックスはキャラばか
り立って、物語の弱いケースが多いと聞いていたが、この映
画化ではその辺にも注意は払われていたようだ。
ヴィデオ制作のインディーズと言うか、DVD売りが主目的
と思われる作品ではあるが、試写会の上映前に行われた監督
と、主演3人の挨拶でも、制作態度は真面目なように見えた
し、これだけやってくれれば文句はないという程度には仕上
がっている。
なお、試写会は、渋谷のアップリンクという比較的狭い会場
で、しかも上映は挨拶をした監督と主演者も一緒に見ること
になったため、僕の直ぐ後ろには、鈴木茜が映画の衣装その
ままで座っているという状況だった。これは僕としては意外
と緊張してしまうもので、上映後に席を立って目が合ったと
きに、「頑張ったね」と一声くらい掛けてあげられれば良か
ったのだが、それもできなかった。
でもまあ、そう言ってあげたいくらいには頑張っているよう
に見えたし、続編にも期待したい。
『ユゴ|大統領有故』(韓国映画)
1979年10月26日に起きた朴正煕・韓国大統領暗殺事件をフィ
クションとして描いた作品。
この暗殺事件は、韓国大統領府が運営する秘密料亭で起きた
ために、酒の席での口論が発展して偶発的に起きたものか、
この映画が描くように、KCIAの部長によって周到に準備
されたものかは、首謀者も処刑されて謎に包まれたまま現在
に至っている。
映画の中では閣下と呼ばれる大統領(映画では朴正煕という
名前は出てこないが、高木正雄という日本名は出てくる)。
韓国の近代化を成し遂げたとされる閣下だったが、急進的な
改革は国内に歪みを呼び、デモ隊への弾圧も武力行使が通常
になっている。
そして、長髪やミニスカートの取り締まり、日本の歌謡曲の
放送禁止など、学生民衆への弾圧は日に日に高まっている。
ところが、閣下の実態は、酒と女に明け暮れ、その秘密料亭
でもミニスカートの若い女性を侍らせ、呼び寄せた人気歌手
には日本の歌謡曲を日本語で歌わせているという始末。そん
な閣下の尻拭いが主な仕事のKCIAの部長はストレスの塊
になっていた。
そして…という物語が描かれるが、韓国では繁栄の記憶だけ
が残る朴政権時代は、ナショナリズムの象徴でもあり、今で
も国民の支持率は高いのだそうだ。従ってこの映画に対する
批判も強く、特に遺族からの訴えに対しては裁判所が、憲法
で禁じられている事前検閲を容認して、映画の一部削除を命
じる結果にもなっている。
その削除された部分は、主には巻頭で、今回の日本公開でも
その部分は画面全体が黒く塗りつぶされて上映される。因に
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10月20日(土)
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