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On the Production
by 井口健二
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■第140回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。 ※
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今回はこの人の話題から。
『パイレーツ・オブ・カリビアン』3部作の完了に続いて
は、ティム・バートン監督のミュージカル“Sweeney Todd”
の撮影も終了しているジョニー・デップに、その後の計画が
続々発表されている。
まずは、第128回で紹介したミラ・ナイール(三省堂の固
有名詞発音辞典ではネアという発音のみの掲載だが、インド
風にはこうなるようだ)監督による“Shantaram”の撮影が
来年1月に開始される。デップはクリスマスの休暇明けから
現地に入るようだが、製作準備の中で監督はインド映画音楽
の大家ヴィシャール・バハダワイに4種類の音楽を発注した
ということで、その内の1曲はインド映画風のミュージカル
シーンの音楽、デップの出演シーンに使われるとのことだ。
“Sweeney Todd”では、ミュージカルの大家が認めた歌声
を披露していると言われるデップだが、今度はインド風のダ
ンスも披露することになるのだろうか。
なお、撮影は原作の舞台でもあるインドのムンバイで行わ
れるが、大半の撮影は現地のスタジオ内で行われる。このた
め主人公が暮らしたスラム街もスタジオ内に再現されている
とのことで、撮影隊が街に出ることはほとんどないようだ。
オーストラリアの銀行強盗で麻薬中毒だった男が、脱獄・
逃亡してインドのスラム街でもぐりの医者となり、さらには
アフガニスタンのゲリラ戦にも参加するという波乱万丈の物
語は、インドミュージカル風にどのように脚色されるのか、
楽しみな作品になりそうだ。
そしてこの撮影は、インド人の共演者には5月までの撮影
期間が提示されているようだが、それに続いてデップには、
2005年6月1日付第88回などで紹介したハンター・S・トム
プスン原作“The Rum Diary”の撮影が予定されている。
1998年に、デップ主演で映画化された『ラスベガスをやっ
つけろ』などの原作者としても知られるトムプスンとの関係
では、2005年に作家が死去したときに、ほとんど葬儀委員長
とも言える立場を務めたほどのデップだったが、その頃から
準備を進めていた作品がようやく実現するものだ。監督は、
以前にも紹介した『キリング・フィールド』の脚本家として
も知られるブルース・ロビンスン。ロビンスンは脚本のリラ
イトも行っていたようで、製作の遅れは、デップのスケジュ
ールの都合だけではなかったようだ。
1950年代のプエルトリコを舞台に、22歳の駆け出しのジャ
ーナリストの生活を描いた原作は、1959年に執筆されたもの
の1998年まで出版されなかったとのことで、原作者の初心が
描かれた作品でもある。
ということで、この作品は“Shantaram”の次に撮影され
ることになるようだが、さらにその後の計画には、ちょっと
意外な題名が登場した。
その題名は“Dark Shadows”。1966年から71年にアメリカ
ABCネットワークで週日昼間に放送された主婦向けの所謂
昼メロのドラマシリーズだが、主人公が何と吸血鬼というも
の。内容の特異性もあってか、6年間に亙って1225回以上が
放送されたほどのカルト人気を誇っていた作品だ。なお、こ
のシリーズからは1970年と71年にも、シリーズの出演者その
ままの映画版が製作されており、その1作目は『血の唇』の
邦題で日本公開もされている。
そして、このテレビシリーズを製作し、映画版も監督した
ダン・カーティスは、実は昨年亡くなっているのだが、その
カーティスが生前から再度の映画版の製作を希望していたと
いうことで、今回の計画はそれに反応してのもののようだ。
一方、デップ自身も以前から、「子供の頃に観ていたテレビ
シリーズの大ファンで、主人公のバーナバス・コリンズには
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08月01日(水)
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