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On the Production
by 井口健二
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■第139回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。       ※
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 最初は前回の続きから、
 前回のサイトを更新した後で思いついたのだが、最後に紹
介した“Bond 22”の記事で、監督に起用が決まったマーク
・フォースターは、2001年の『チョコレート』(Monster's
Ball)でハリー・べリーにオスカー主演女優賞をもたらした
監督であった。そのべリーは、翌2002年の『ダイ・アナザー
・デイ』にNSAのエージェント=ジンクスとして登場し、
一時は人気が落ち目のブロスナン=ボンドに替って、スピン
オフシリーズの可能性も検討されたことがあったものだ。
 しかし、べリー自身が『X−メン』では、「シリーズの継
続は歓迎するが、自分が主演のスピンオフはやりたくない」
と発言しているもので、同様のことは『007』にも当ては
まるという感じもする。となると、フォースター監督の許、
新生ボンドシリーズの第2弾にジンクスの再登場は有り得る
かどうか。現在進行中のポール・ハギスとフォースターによ
る脚本の改訂作業が気になるところだ。
 一方、主演のダニエル・クレイグからは、「“Bond 22”
では、ギャグも前作以上に取り入れて、ユーモアのセンスも
強調される」との見通しも紹介されており、フォースター監
督の起用がシリーズに新風を吹き込むことも期待されている
ようだ。その中にカメオでもいいからジンクスの登場は、や
はり期待してしまうところだろう。
        *         *
 ボンドシリーズ関係の情報をもう一つ、
 故イアン・フレミングが遺した草稿の中から“Devil May
Care”という作品が、来年生誕100周年を迎える5月28日の
誕生日に合せて出版されることになり、その作品が、2002年
ケイト・ブランシェット主演で映画化された『シャーロット
・グレイ』などの原作者セバスチャン・フォークスによって
完成されたことが発表された。
 内容に関する情報は一切公表されていないが、情報を得て
いる映画製作者のバーバラ・ブロッコリからは、「1968年を
背景にしたもので、正に屋根裏から発見されたフレミングの
原稿そのもの」という話も伝えられており、この作品が将来
の映画化に向かうことは間違いなさそうだ。
 因にこの作品は、フレミングの遺族が著名作家に依頼する
ことを表明していたもので、その中にはジョン・ル=カレや
フレデリック・フォーサイスらの名前も挙がっていたが、上
記の映画化作品でも第2次大戦下のフランスのレジスタンス
活動を見事に描いたフォークスに白羽の矢が立ったものだ。
 そのフォークスは、「本作のボンドは、今までのどの作品
より弱点だらけのように見える。同時に、女性に優しく高度
にセクシーで、言ってみれば女たらしだ。でも彼はそれを悪
用はしない」と語っており、アクションがどんなものかは語
っていないが、女性関係はかなり華やかになりそうだ。
 また、フォークスは本作品を6週間で書き上げたそうで、
「フレミングのように、ジャマイカの海岸の家で朝1000語。
それからシュノーケリングとカクテルとテラスでランチ。午
後はダイビングでその後に1000語。それからはマティーニと
ゴージャスな女たち。ロンドンの自宅では全部を叶える訳に
は行かなかったが、執筆のペースだけは同じように守った」
とのことだ。
 すでに“Bond 23”は2010年公開の予想も流されており、
そこに向けての動きも注目だ。
        *         *
 続いてはキネ旬紹介の情報から報告しよう。
 まずは、シリーズ第3弾の“Rush Hour 3”が8月10日に
全米公開されるブレット・ラトナー監督に、早くも次回作の
候補が2本報告されている。
 その1本目は、“Playboy”と題された雑誌Playboyの創刊

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07月15日(日)
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