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On the Production
by 井口健二
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■ジャンゴ(特)、オーシャンズ13、厨房で逢いましょう、クレージーストーン、傷だらけの男たち、Perfect Stranger、不死鳥の騎士団
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※
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『スキヤキウェスタン・ジャンゴ』(特別映像)
三池崇史監督が全編を英語台詞で撮り上げた和製西部劇のク
ランクアップ記者会見が行われ、一部の映像が披露された。
特別映像と言っても正味8分足らずで、そこから全貌が見え
てくるようなものではなかったが、雰囲気的には、ハリウッ
ド西部劇と言うよりは、グループが対峙するシーンなどには
黒澤明演出を巧妙に再現しているような感じもあり、『七人
の侍』→『荒野の七人』、『用心棒』→『荒野の用心棒』と
いった流れを意識している感じが見えた。
配布された資料によると、物語は、壇之浦から数100年後、
とある寒村に隠されたお宝を巡って義経率いる源氏(白軍)
ギャングと、清盛率いる平家(赤軍)ギャングが対立し、そ
こに流れ者のガンマンや二重人格の保安官らが絡むというも
のになるようだ。
この物語について、上映後の会見で三池監督は「源平の物語
は、日本の芝居その他のルーツであるし、昔からやりたかっ
た」としていたが、確かに極めて明確に対立の構図を示すに
は判りやすい手段だと言える。
ただしそれは、日本人にとってはある種パロディに近いもの
にも採られやすいし、一方、海外ではそのようなルーツが判
らない中で、如何にシンプルな物語として理解され得るもの
か、これは本当に蓋を開けてみないと判らないギャンブルの
ような気もした。
いずれにしても、完成品を見ないことには何とも言えないこ
とは確かだが、このような大博打を出来るのも、それ自体が
楽しいことのようにも感じられたものだ。
出演は、伊藤英明、佐藤浩市、伊勢谷友介、安藤政信、石橋
貴明、木村佳乃、香川照之、堺雅人、小栗旬、桃井かおり、
そしてクエンティン・タランティーノ。普段の三池作品とは
ちょっと違った顔ぶれだが、この内の伊勢谷と木村はバイリ
ンガル、石橋、桃井はハリウッド作品に出演歴がある訳で、
全編英語台詞を意識したキャスティングのようだ。
中でも、会見でタランティーノと並んで座った桃井は、終始
2人で言葉を交わすなど、本人のキャラクターも含めて本作
には適当な配役に思えた。
その桃井は会見で、「『SAYURI』だけには負けたくな
いの」と発言して会場を湧かせた。桃井曰く、「彼女たちが
悪いんじゃないけど、なんで日本の話に中国人の子たちが主
演してるよ!」と言うことで、その思いをぶつけた作品にな
っているようだ。
会見は、正に撮影が午前3時に終ったその日に行われたもの
で、監督からは「(看板の)クランクアップ会見が嘘になる
ところだった」という発言もあったが、その最後の撮影に出
演したタランティーノも、「イーストウッドやジェンマのよ
うな役で光栄だった」と御満悦の様子で、後は期待半分、心
配半分の気持ちで完成を待ちたいところだ。
『オーシャンズ13』“Ocean's Thirteen”
ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット共演による『オー
シャンズ』シリーズ第3弾。
1960年にシナトラ一家が共演した往年の作品が,2001年にリ
メイクされ、そこからスタートしたシリーズが3作目となっ
た。前作はヨーロッパ各地を舞台に観光旅行気分の作品だっ
たが、今回は舞台をラスヴェガスに戻して再び大作戦が展開
される。
物語は、オーシャンズのメムバーでエリオット・グールド扮
するルーベンが危篤、との知らせに、目前にしたお宝の山も
放り出して仲間たちが馳せ参じるところから始まる。実はル
ーベンは、独自に進めていたホテル事業で共同経営者に裏切
られ、そのショックで心筋梗塞になったのだ。
裏切ったのはアル・パチーノ扮するバンクという男。バンク
はルーベンから資産を巻き上げた上に、グランドオープン目
前のホテルから彼を追い出したのだ。そこでまずオーシャン
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06月20日(水)
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