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On the Production
by 井口健二
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■第134回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。       ※
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 今回はニュースが多いので早速始めよう。
 まずは続報で、第129回で紹介した“Barbarella”のリメ
イクに関して、脚本に、『カジノ・ロワイヤル』のニール・
パーヴィスとロバート・ウェイドの契約が報告された。
 このリメイクは、1968年のオリジナルも製作したディノ・
デ=ラウレンティスが、先に買収したモロッコの撮影所で進
めているもので、以前の紹介でもディノ自身が「女性版ジェ
ームズ・ボンド」と呼んでいたものだから、その思惑通りの
脚本家が決まったというところだ。しかも、『カジノ…』も
シリーズ再構築の第1作として考えられた作品で、今後のシ
リーズ化を期待される本作には最適というところだろう。
 またディノは、イアン・フレミングの初期の作品である原
作を、見事に現代にマッチさせた脚本家の手腕にも期待して
いるとのことだ。そしてリメイクでは、主人公は何事にも自
由な現代女性で、彼女が、自らの知識と、戦いのスキルと、
セクシャリティを駆使して未来世界の中を生き延びて行く物
語にしたいとしている。
 なお、脚本家たちは、『カジノ…』に続く“Bond 22”の
執筆はすでに済ませたとのことで、続けてリメイクに取り掛
かれるようだ。またリメイクの監督には、『ハンニバル・ラ
イジング』のピーター・ウェバーが予定されている。
 具体的な製作のスケジュールや配給会社などは未定だが、
配給会社に関しては脚本の完成と主な出演者の決定を待って
交渉を始めるとしている。因に、『…ライジング』の海外で
の配給権はTWCが獲得したが、これは映画が完成してから
交渉が行われたものだそうだ。
 また配役に関しては、以前の報告ではドリュー・バリモア
が熱心だったことを紹介したが、現在はケイト・ベッキンセ
ールが第1候補として考えられているようだ。
 一方、今回のリメイクに関しては、原作者ジャン=クロー
ド・フォレストの子息との間で映画化権の契約が再締結され
ており、その際、同時に原作のアメリカでの出版も契約され
たようだ。これによって、原作本の最初の2巻の英語版が出
版されるとのことだが、実はこの原作は今まで英語に翻訳さ
れたことがなかったのだそうだ。原作の紹介なしにかなりの
話題となった前の映画化も大したものだが、今回は両面から
の宣伝戦略が繰り広げられることになりそうだ。
        *         *
 前回報告したブライアン・シンガー監督の計画で新たな動
きが生じた。
 実は前回の記事で、元々あった小規模な作品としたのは、
“The Mayor of Castro Street”という作品。アメリカで初
めてゲイを公表して公職選挙に臨み、当選、その後に暗殺さ
れたハーヴェイ・ミルクという人の伝記で、ランディ・シル
ツによる原作は15年前に発表され、以来映画化が期待されて
いた。そしてシンガーは、2年前にこの企画をワーナー・イ
ンディペンデントに持ち込み、クリス・マクアリーによる脚
色もすでに最終段階だった。しかし、内容面で映画会社が製
作に踏み切れないでいたものだ。
 ところが、一昨年の『ブローバック・マウンテン』の成功
で、ゲイに対する映画界の評価が変化し、今ならこの企画も
行けるのではないかと判断されたようだ。しかも、実は以前
に同じ企画に係っていたガス・ヴァン=サントが同様の企画
を他社で立上げることを発表しており、本作はそれより前の
完成が望まれている。
 なお現状では、前回報告したUAの計画はトム・クルーズ
出演で7月8日の撮影開始が決定されており、今回の伝記の
映画化はそれが終り次第となるが…“Superman”の続編は、
2009年の公開が希望されているそうだ。
        *         *

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05月01日(火)
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