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On the Production
by 井口健二
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■第133回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。       ※
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 今回は記者会見の報告から。
 『ブラッド・ダイヤモンド』の日本公開に合せて、出演の
ジェニファー・コネリー、ジャイモン・フンスー、監督のエ
ドワード・ズウィックの記者会見が行われた。なお、主演の
レオナルド・ディカプリオは、『ディパーテッド』で来たば
かりだからというのではなく、彼自身が製作している異常気
象をテーマにしたドキュメンタリー撮影のためスケジュール
が取れなかったのだそうだ。
 その会見で、主催者側から「何でもいいから質問してくだ
さい」との要請もあったので質問を試みた。そこで僕が聞い
たのは、「なぜアフリカでの撮影に拘わったのか」というこ
とだ。反政府組織の実態なども描くこの作品では、現地での
撮影は危険が伴うのではないかということを聞いてみた。
 それに対するズウィック監督の答えは、「撮影を行ったモ
ザンビークは、すでに政情も安定していて撮影中に危険なこ
とは一度もなかった。しかし、この国は現在アフリカでも最
も貧しいと言っていいところだ。そこに撮影隊が行くと、計
算上で5000万ドルの経済効果があるという見込みがあった。
この国にその経済効果は極めて大きい」というものだっだ。
 実は上記の質問では、言葉にはしなかったが「前作『ラス
ト・サムライ』は、日本ではなくニュージーランドで撮影し
たのに…」という気持ちもあった。従って監督には、それを
見事に見透かされたような回答をされてしまったというとこ
ろだ。正直に言って前作の海外ロケには、見るからに日本で
はない地形や植生などに不満もあったのだが、経済効果まで
言われると、納得せざるを得ない。別段、ニュージーランド
が貧しい国ということではないが…
 さらに今回の作品に関して、「映画の公開前と後とでは、
ダイヤモンド販売会社のキャンペーンなどに明らかな変化が
見られる」と胸を張って話す監督には、これからも注目せざ
るを得ないようだ。
        *         *
 以下は、いつもの製作ニュースを紹介しよう。
 まずは、『リトル・ミス・サンシャイン』でアカデミー賞
助演女優賞にノミネートされたアビゲイル・ブレスリンが、
主演女優賞を2度受賞のジョディ・フォスターと共演する計
画が進められている。
 この計画は、ウェンディ・オーとケリー・ミラードの原作
によるファンタジー小説“Nim's Island”を映画化するもの
で、物語は、科学者の父親に同行して南太平洋の孤島を訪れ
た少女を主人公にしている。ところがある日、父親が海で行
方不明になってしまう。そして一人残された少女は、読んで
いた本の登場人物と無線で連絡を取るようになるが…という
お話。ブレスリンがその少女を演じることになるものだ。一
方、フォスターは本の登場人物ということになりそうだが、
これがちょっと捻った設定のようだ。
 ジョセフ・クウォンとポーラ・メイザの脚色で、ジェニフ
ァー・フラケットとマーク・レヴィンの共同監督。製作は、
『ナルニア』シリーズなどのウォルデン・メディア。今年の
夏に撮影予定とのことだ。
 因に、フォスターが『タクシー・ドライバー』で助演女優
賞候補になったのは14歳の時だが、11歳で候補になったブレ
スリンとの共演はどんな気持ちだろうか。それにしても、ブ
レスリンは、あの体形で絶海の孤島でのサヴァイヴァルとい
うのは、ちょっとイメージが湧かないのだが…
 なおブレスリンには、その前に“American Girl”という
作品への主演も発表されている。この作品は、すでに展開さ
れている人形を中心にした玩具のシリーズからインスパイア
されたもので、お話は1930年頃の大恐慌時代を背景に、不況

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04月15日(日)
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