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On the Production
by 井口健二
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■第132回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。       ※
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 最初は普通の映画の情報から。
 レオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットが、
1997年の『タイタニック』以来の共演をする計画が発表され
た。作品は“Revolutionary Road”という題名で、リチャー
ド・イェーツという作家が1961年に発表した原作に基づき、
ドリームワークスで製作される。
 内容は、1950年代半ばを時代背景に、夫婦と子供2人の幸
せな一家が、自分たちの真の欲望と周囲の習慣との板挟みで
苦しむというもの。かなり厳しい内容のようだが、原作はそ
の語り口の斬新さなどで評価された作品のようだ。そしてこ
の原作を、1999年の『アメリカン・ビューティ』でオスカー
を受賞し、ウィンスレットの夫でもあるサム・メンデス監督
が映画化するもので、撮影は今夏に予定されている。
 なお、ディカプリオとウィンスレットは、共演以来ずっと
交流を保っていたそうだが、一緒に仕事をする機会には恵ま
れなかった。それが今回は、ウィンスレットの夫メンデスの
監督作品で実現することになったものだ。『タイタニック』
のときはウィンスレットだけが主演女優賞候補になったが、
今年はディカプリオもオスカー主演賞候補を勝ち取って、満
を持しての再共演になりそうだ。
 因に、メンデス監督は第1作の『アメリカン…』をドリー
ムワークスから発表して以来、継続して同社で仕事を続けて
おり、2002年の『ロード・トゥ・パーディション』の監督の
他、製作を手掛けた作品もあるようだ。また、ディカプリオ
は、2002年スティーヴン・スピルバーグ監督の『キャッチ・
ミー・イフ・ユー・キャン』以来の同社での出演となる。
        *         *
 一方、ディカプリオは、マーティン・スコセッシ監督と再
び組む計画も発表している。こちらはワーナーが進めるもの
で、ウォール街の風雲児と呼ばれ、20カ月の懲役も経験した
ジョーダン・ベルフォートの“The Wolf of Wall Street”
と題された自伝の映画化。原作は、9月にバンタムブックス
から出版されるというものだ。
 そしてこの映画化権に関しては、ワーナー+ディカプリオ
と、パラマウント+ブラッド・ピットの間で争奪戦が演じら
れたそうだが、ピットが主演を希望しなかったことと、ワー
ナー側がスコセッシの監督を提示したことが決め手になり、
契約が決まったとのことだ。製作時期は未定だが、脚色には
“The Sopranos”のテレンス・ウィンターが契約し、直ちに
開始するとしている。
 また、この原作では、主人公を追い詰めるFBI捜査官の
存在がかなり大きいとのことで、『キャッチ・ミー…』のよ
うな強力な共演者が期待されている。まさかトム・ハンクス
とはいかないのだろうが。
 さらに、スコセッシとパラマウントの間では、前回紹介し
たように全ての作品の権利の半分をパラマウントが所有する
契約が結ばれているが、今回の計画はその契約が発効してか
ら後のもののようだ。にも拘らず、パラマウントは権利獲得
に固執したもので、前回報告した作品の件も含めて、その扱
いが注目されることになるようだ。
        *         *
 2005年の『マッチ・ポイント』と、2006年の“Scoop”で
連続してコラボレートしたスカーレット・ヨハンソンとウッ
ディ・アレンが、今夏にスペインで撮影予定の新作でも組む
ことが発表された。
 この計画については、2006年1月の第103回で一度紹介し
ているが、その計画にヨハンソンの出演が決まったものだ。
例に拠って題名・内容等は発表されていないが、作品には、
『プレステージ』で共演したレベッカ・ホールや、ジャヴィ
アー・バーデン、それにペネロペ・クルスも出演する。

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04月01日(日)
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