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On the Production
by 井口健二
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■第124回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。 ※
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まずは続報で、前々回第122回で報告した『LOTR』の
前日譚“The Hobbit”の映画化について各社の動きが激しく
なってきた。
この映画化については、原作の製作権を持つニューライン
と、配給権を持つMGM、それに『LOTR』を製作したピ
ーター・ジャクスン監督の一致協力が成功の鍵とされるもの
だが、以前に報告したように、監督が『LOTR』の興行収
入の計算を巡ってニューラインとの訴訟を行っており、最近
の監督の報告によると、その裁判が決着するまで動けないと
宣言する一方で、ニューラインからは他の監督で行くという
通告も出されたということだ。
この動きについては、最近の情報では大元の製作権を持つ
ソウル・ゼインツとニューラインとの契約が期限付きのもの
で、その期限が近づいて訴訟の決着を待てなくなったとする
説もあるようだが、このまま他の監督で製作を進めるのか、
ニューラインが訴訟で折れて裁判を早期に決着させるのか、
状況は微妙になってきている。しかも監督は、上記の報告の
中では“The Hobbit”を裁判の取り引き材料にする考えはな
い、としているものだ。
なお前々回には、2本の前日譚と報告したが、これはJR
R・トーキンの原作による“The Hobbit”の物語と、その後
から『LOTR』の発端までを描くオリジナルの物語が考え
られているということだ。そして訴訟以前には、ジャクスン
とニューラインの間でかなり検討も進められていたようだ。
しかもこの繋ぎの物語には2部作も考えられていたそうで、
“The Hobbit”と合せて、また3年連続の3部作という計画
もあったとされている。
ただし、ジャクスンのスケジュールでは、来年には“The
Lovely Bones”の撮影を予定していて、MGMとの話し合い
では、その撮影に並行して準備を開始する計画だったという
話も伝わっているが…MGMの次の発言も注目される。
因に、MGMの親会社のソニー・ピクチャーズは、マーヴ
ル・コミックスと裁判を繰り返しながらも“Spider-Man”の
製作は続けているし、実際、『LOTR』の訴訟でも、問題
なのは『旅の仲間』だけで、その後の2作は問題にされてい
ないようだ。クリエーターと配給会社の訴訟は、ヒット作で
は良くあることだが、何とか円満に、早期に決着してもらい
たいものだが。
とここまで書いたところで、突如ニューラインがサム・ラ
イミに監督をオファーしたというネット情報が流れて来た。
ライミ監督は、現在は来年5月公開の“Spider-Man 3”を仕
上げ中のはずだが、確かにしっかりとしたコンセプトでの映
画化を期待できるということでは適任者のように見える。し
かし、すでにジャクスンが路線を敷いた上に乗れるものかど
うか。ましてや、ビルボ・バギンズ役のイアン・ホルムや、
スメアゴル役のアンディ・サーキス、それにガンダルフ役の
イアン・マッケランには再び出演してもらわなければならな
い訳で、その辺の調整も大変になる。その状況にライミ監督
が立ち向かうことになるのか…いずれにしても、ここ暫くは
目の放せない状態が続きそうだ。
* *
次も続報で、最初は第45回、その後は第69回と第101回で
も紹介した往年の人気テレビシリーズ“Get Smart”(それ
行けスマート)の映画化がついに決定し、来年3月の撮影開
始が発表された。
この作品は、以前にも紹介しているように、『プロデュー
サーズ』などの製作監督のメル・ブルックスと、『卒業』な
どの脚本家バック・ヘンリーが創造したスパイ・パロディシ
リーズで、ドン・アダムス(昨年10月に訃報を紹介した)扮
するずっこけスパイのマックスウェル・スマートと、バーバ
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12月01日(金)
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