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On the Production
by 井口健二
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■守護神、エクステ、サンタクローズ3、ラッキーナンバー7、ハッピーフィート、イヌゴエ2、スキトモ、刺青
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。     ※
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『守護神』“The Guardian”
ケヴィン・コスナーの主演で、海難救助に当る沿岸警備隊レ
スキューの姿を描いた作品。
主人公は、幾多の海難事故で数100の人命を救助してきた伝
説のレスキュー・スイマー。しかし、ある日の救難活動中に
相棒を失い、心も身体もずたずたに傷ついた彼は、家庭の事
情もあって一時的に一線を退くことを余儀なくされる。
そして主人公がやってきたのは、全米のレスキュー・スイマ
ーの訓練を行うAスクール。その訓練教官として赴任した主
人公は、そこで天才的な泳ぎを見せる若者に出会う。その若
者は、主人公が打ち立てた記録を次々に塗り替えて行く。
しかしその若者には、どこか投げやりなところがあり、訓練
に遅刻したり、町の酒場で乱闘をしたり、本当に人命救助に
向いているかどうか疑問符が打たれる。そんな彼を気に掛け
る主人公は、彼の本心を探り出そうとするのだが…
アメリカ沿岸警備隊というのは、1790年に設立された組織で
法の執行権も持ち、僕は、その名称も活動内容もそれなりに
知っていたつもりだった。ところが、海は海軍が仕切ってい
ると考えるアメリカ国民の間では、その存在はあまり有名で
はなかったそうだ。
しかし、昨年のハリケーン・カテリーナの災害の後、ニュー
オルリンズで救助に当たる沿岸警備隊の活躍が報道されて国
民に知られるようになり、この映画の企画もそれで立上げら
れたとされている。従って映画の中では、カテリーナでの救
助活動の話が出てきたり、海軍との確執が描かれたりもして
いるようだ。
物語は3幕構成で、その1幕と3幕には荒れ狂う海での海難
救助の様子が描かれる。それはCGIも大量に投入されて、
かなりの迫力を持って描かれたもので、荒れた海の描写は、
『パーフェクト・ストーム』以降のCGIの定番になったよ
うな感じだ。
そして第2幕では、過酷な訓練の様子が描かれる。その訓練
自体は、主人公がそれまでの訓練は実情に合わないとして変
えてしまうものだが、確かに主人公の主張の方が正しくも見
えるもので、その辺の実際はどうなのか多少気になった。
しかも、鬼教官が居たりの展開はステレオタイプで、ちょっ
と作り過ぎの感じもあるところだが、まあその辺は1幕3幕
の迫力の前に免じることにしたい。そのレスキューのシーン
にも多少疑問の点はあるが、実際の海洋で撮影されたシーン
は素晴らしかった。
なお、若者役は『バタフライ・エフェクト』などのアシュト
ン・カッチャー。モデル出身ということで、今までの作品で
は、何となくにやけた雰囲気が気になっていたが、本作では
かなり硬派でちょっと見直した。

『エクステ』
園子温監督の新作ホラー。
園監督と言うと、何と言っても『自殺サークル』の衝撃が忘
れられない。今年はその続編の『紀子の食卓』も公開された
が、どうしても都合がつかず見に行けなくて悔しい思いをし
ていた。そこに本作の試写状が届いたもので、これは正直嬉
しかった。
しかも、園監督の作品は、今まではいずれもインディペンデ
ントの扱いだったと思うが、本作は東映が来年2月17日に全
国配給するもの。その上、俳優も主演に栗山千明と大杉漣、
脇には佐藤めぐみ、つぐみ、佐藤未来、山本未来らを配する
などかなり力の入った作品だ。
物語の発端は、海外からのコンテナが山積みのコンテナヤー
ド。その一つから異臭が発生し、税関吏が開けてみると、中
には人毛がぎっしりと詰まっていた。それ自体は正規の輸入
品なのだが、その中から少女の遺体が現れる。
その遺体は、司法解剖に附されるが、その遺体にメスを入れ
ると、そこからは体内に充満しているかのように毛髪が溢れ
出てくる。そして遺体は安置所に収容されるのだが、そこに

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11月30日(木)
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