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On the Production
by 井口健二
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■第122回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。 ※
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まずは10月29日に閉幕した東京国際映画祭の報告から。
今年の映画祭で鑑賞できたのは、コンペティション部門は
事前試写の6本を含めて15本の全作品と、「アジアの風」部
門は12本。他に、特別招待作品を1本とニッポン・シネマ・
クラシックを2本見た。10月31日付で紹介した特別招待作品
以外の個々の作品の紹介は、後日纏めて行うことにするが、
その前に、自分なりに選んだ各賞を記しておくと、
グランプリ:ロケット
審査員特別賞:グラフィティー
監督賞:ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス
(リトル・ミス・サンシャイン)
女優賞:風吹ジュン(魂萌え!)
男優賞:ロイ・デュビュイ(ロケット)
芸術貢献賞:2:37
観客賞:リトル・ミス・サンシャイン
アジア映画賞:多細胞少女
とした。
この内、グランプリは、自分なりにスポーツチームの応援
などもしていると、アイスホッケーを描いたこの作品には感
情移入もしやすかったもので、その辺を割り引かなくてはと
も思ったが、映画祭の日報に掲載されたジャーナリストの星
取表でも3人が満点を付けており、意を強くして選んだ。
審査員特別賞と観客賞を勝手に決めるというのも変なもの
だが、それぞれ自分がその立場にいたらこれを選ぶという意
味合いで、特に『グラフィティー』に関しては、今年のコン
ペ作品では現代世界の状況を反映したものが少なかった中、
この作品がそれを描いていた点を評価したものだ。
監督、女優、男優賞は、それぞれ順当な線だと思う。芸術
貢献賞は、内容的には好き嫌いの分かれる作品だと思うが、
時間を前後にずらして重ねて行く手法はちょっと面白く感じ
られた。アジア映画賞は、全作を見てはいないので何とも言
えないが、僕が見た中では一番面白かった作品を選んだ。
これに対して、実際に選ばれた各賞は、
グランプリ:OSS117カイロ、スパイの巣窟
審査員特別賞:十三の桐
監督賞:ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス
(リトル・ミス・サンシャイン)
女優賞:アビゲイル・ブレスリン
(リトル・ミス・サンシャイン)
男優賞:ロイ・デュビュイ(ロケット)
芸術貢献賞:父子
観客賞:リトル・ミス・サンシャイン
アジア映画賞:父子
となっている。
我ながらよく外すものだと思ってしまうが、今年も3つし
か一致しなかった。もっとも、アジア映画賞に関しては受賞
作自体を見ていないので何とも言えないのだが…それにして
もグランプリはちょっと意外な結果だった。この辺のことに
関しては、作品紹介の時に改めて書くことにしたい。
なお、作品紹介は、11月5日頃に掲載の予定です。
* *
お次は、映画祭で行われた記者会見の報告で、『ロディと
リタの大冒険』については昨日付の作品紹介の中で報告した
が、もう1本、作品は10月10日付で紹介した『ブラザーズ・
オブ・ザ・ヘッド』の記者会見に出席し、登壇した2人の監
督に映画に登場しているブライアン・オールディスについて
聞いてみた。
それによると、映画に登場しているのは原作者本人ではな
く、俳優が演じているとのこと。その理由は、「彼が演技を
できなかったから」ということだが、映画との関りについて
は、監督たちは一緒に酒を飲みながら話し合ったそうだ。そ
してその際にオールディスは、本は全部自分の想像で書いた
もので、実話ではないと繰り返し述べていたということだ。
しかし、イギリスにもそういうバンドがあったと言い出す人
たちがいて、困惑しているようだったとも話していた。
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11月01日(水)
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