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On the Production
by 井口健二
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■アンノウン、とかげの可愛い嘘、スネーク・フライト、カオス、エレクション、アジアンタムブルー、イカとクジラ
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。     ※
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『アンノウン』“Unknown”
脱出不能の建物に閉じ込められた5人の男。彼らは全員が記
憶を失っている。しかし、彼らの内、2人は人質で3人は誘
拐犯らしい。ところが、記憶喪失のために自分が被害者なの
か犯人なのかも判らない。こんなシチュエーションで繰り広
げられる心理ドラマ。
映画を観るまでは、この設定自体が如何にして成立するか疑
問だった。しかし観ると実に納得できる展開で、その辺から
嬉しくなる作品だった。しかも、それぞれの記憶は徐々に蘇
ってくるのだが、それがまたお互い嘘を付いているのか真実
を喋っているのか…
つまり彼らは、お互いに誰を信用して良いかも判らず、疑心
暗鬼のままそれでも協力して状況を打開しようとするのだが
…その上、蘇り始めた記憶は細部が曖昧で、それが一層混乱
を招いて行く。なお映画では、蘇った記憶の描写もあるが、
それも実に上手かった。
設定を聞いたときには『SAW』の亜流かと思ったが、ちゃ
んと理詰めで進んで行く物語には感心させられ通しだった。
もちろん『SAW』とは全く違う展開だから、一概に比較で
きるものではないが、一面では『SAW』よりも興奮させら
れた感じだ。
という素晴らしい脚本を書いたのは、マシュー・ウィニー。
初めて聞く名前だが、インターネットのデータベースによる
と、この前には8分の短編を脚本監督した記録があり、その
短編は10人の投票者ではあるが10点満点の平均9点という高
い評価を得ていた。
因にその短編は、24時間で映画を作るコンテストに応募され
た作品ということで、撮影開始から編集、音入れまで23.2時
間で完成されたということだが、その評価の高さと今回の作
品の出来を考えると、この名前はちゃんと記憶して置いた方
が良さそうだ。
監督は、トヨタやベンツのCM、それにミュージックヴィデ
オなどで国際的な賞をいくつも獲っているというサイモン・
ブランド。ただし、インターネットのデータベースでは、フ
ォード・ノースという共同監督の名前が挙がっており、その
経緯は不明。
出演は、ジム・カヴィーゼル、バリー・ペッパー、グレッグ
・キニア、ジョー・パントリアーノ、ジェレミー・シスト。
他に、『アイ,ロボット』のブリジット・モイナハンらが共
演している。
なお本作はアメリカ映画だが、本国は公開待機中で、日本で
の公開が先行するようだ。

『とかげの可愛い嘘』(韓国映画)
小学生の主人公の前に現れた黄色い合羽を着た女子転校生。
主人公は一目で彼女を好きになるが、その子は、「自分は呪
われた子で、触ると呪いが罹る。合羽はその防護服だ」と言
い出す。そして実際に、彼女に触れた先生が自転車で転んだ
りもしてしまう。
しかもその子は、「自分は宇宙人で、大きくなったら宇宙へ
帰る」などと、真実とは思えないことを言い続ける。でも、
主人公は彼女のことを思い続けるが…ある日、偶然彼女に触
れた後で病気になり、その間に彼女は消えてしまう。
そして10年後、再び彼女と巡り会う。彼女は学業も優秀で、
一緒に大学受験の勉強をするが、急接近した彼が再び病気に
なり、「自分は銀行員と結婚する」と言い残して、また行方
不明になる。そして主人公は大学を卒業して銀行員となり、
彼女を待ち続けるが…
こんな一途な主人公と、不思議な嘘をつき続ける少女の、ち
ょっとファンタスティックなラヴストーリー。
主演は、『マラソン』のチョ・スンウと『トンマッコルへよ
うこそ』のカン・ヘジョン。2人とも、美男美女のカップル
とは違うかも知れないが、その分親しみやすくて良い感じの
キャラクターだ。特にヘジョンは、『トンマッコル…』で受
賞も果たし、韓国映画の次代を担う2人とも言える。
それに加えて、2人の幼年時代を演じるのが、パク・コンテ

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09月30日(土)
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