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On the Production
by 井口健二
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■ミートボール・マシン、キャッチボール屋、グエムル、セプテンバー・テープ、ザ・フォッグ、鬘、ニキフォル、日本以外全部沈没
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。     ※
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『ミートボール・マシン』
『魁!!クロマティ高校』の山口雄大監督によるスプラッター
作品。
登場するのは人体に寄生する謎の生物。宇宙から飛来した奴
らの目的は、人間に寄生し、寄生した人間を戦闘マシンに変
身させて、人間同士を戦わせるというものだ。そして今、一
組のカップルがその犠牲となる。
山口監督のスプラッター作品では、以前に『楳図かずお劇場
/プレゼント』を紹介している。その作品は、中編ではある
ものの、日本映画では限界に近い血飛沫に、大いに納得した
ものだった。本作は、その山口監督に、これも和製スプラッ
ターでは限界に挑んだ『自殺サークル』の西村喜廣特技監督
が加わって、最凶の期待を持てるタッグが成立したはずなの
だが…
結局のところ、ネクロボーグと称する半分メカの造形を登場
させたところで、本作からスプラッターの要素が減少してし
まっている。これでは『仮面ライダー』の戦いだし、造形の
腕をいくら引き千切っても、それはスプラッターとは言えな
いものだ。特に本作は、造形が雨宮慶太ということで、ます
ます『仮面ライダー』になってしまっている。
スプラッターである以上は、もっと生身の人間がずたずたに
なって行くのでなければ意味がない。その線で言えば『ハイ
テンション』などの方が真髄を突いているし、物語が目茶苦
茶でも評価してしまうのはその点だ。
因に本作には、共同監督を務める山本淳一による1999年製作
のオリジナルがあるようだが、そのオリジナルがどのような
ものだったか気になるところだ。それがもし生身の人間のス
プラッターだとしたら、本作では造形によってその魅力を減
じてしまったことになる。
実は本作でも、前半にはなかなかのシーンが描かれていた。
最近は日本映画もCGIの進出でスマートになってきている
が、もっとどろどろしたものを描くことは、今の造形や特殊
メイクの技術で可能なはずだ。そこにこそスプラッターの魅
力がある。そんな作品を期待したいものだ。

『キャッチボール屋』
北野武、竹中直人らの助監督を務めてきた大崎章による監督
デビュー作。近々工事で閉鎖される公園を舞台に、10分100
円でキャッチボールをする男と、その客たちとの交流と、彼
らが人生を再出発するまでを描いた、一瞬の人生ドラマ。
主人公は、北関東の名門校の野球部で3年間補欠だった男。
卒業後は上京して就職したものの、どうやらリストラされた
らしい。そんな主人公が故郷に舞い戻るのだが、ひょんなこ
とから東京に送り返されて、公園のベンチで目を覚ます。
その公園には髭面のキャッチボール屋がいて、その髭の男は
主人公に店番を頼んだまま姿をくらましてしまう。そして、
その男の住んでいたアパートも譲られた主人公は、跡を継い
でキャッチボール屋となるが…
そこには、常連客の元甲子園球児や、OLや、キャッチボー
ルをしたことの無い中年親父や、小学生や、いろいろな客が
いて、それぞれ人生の再出発のきっかけを求めていた。
いろいろな意味で日本映画を感じさせる作品だ。キャッチボ
ールという行為そのものが、野球の無いヨーロッパはもちろ
ん、アメリカ映画でも少なくとも最近は見た記憶が無い。ま
してやそんなものを商売にするなんて発想は、日本人だけだ
ろうなと思ってしまう。
この発想自体がどこから来たものかは知らないが、映画の中
ではいろいろ名言のようなものも出てくるから、それなりに
普遍的なアイデアなのかも知れない。しかし、いずれにして
も日本でしか成立しないお話のように思える。
かと言って時代遅れの内容と言う訳でもない。いろいろ現代
の日本を集約している部分もあったりもする。でも、結局見
終って、ああそうですかの一言で終ってしまいそうな作品で

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07月20日(木)
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