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On the Production
by 井口健二
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■第112回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。 ※
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今回は早速始めることにしよう。
まずは、『ダ・ヴィンチ・コード』の記録的ヒットを受け
て、同じ主人公ロバート・ラングドンが活躍するダン・ブラ
ウン原作のもう1篇“Angels & Demons”の映画化も進める
ことが公表された。
実はこの計画については、2003年7月15日付第43回で報告
したように、コロムビアでは当初からシリーズで映画化権を
獲得していたもの。従って、その製作は既定の事だったとも
言えるが、取り敢えず今回は、前作と同じアキヴァ・ゴール
ズマンと脚色の契約が結ばれたことが報告され、製作が正式
にスタートしたことになるようだ。
ただしこの原作は、実は『ダ・ヴィンチ・コード』より先
に発表されたラングドン教授が最初に登場する物語で、いわ
ば前日譚に当たる。と言っても、2作の間で特別な繋がりが
在るとも聞かないので、映画化ではどうするのか、その辺は
ゴールズマンに任されることになりそうだ。
因に物語は、ラングドン教授の許にスイスに在る欧州素粒
子物理学研究所の所長からFAXで写真が送られ、研究員の
物理学者の殺人事件の調査が依頼されるところから始まる。
そしてその遺体の胸にはアンビグラム化されたイルミナティ
の焼印が見出される。
イルミナティとは、ガリレオも参加していたと言われる反
カトリックの秘密結社だが、現在は消滅したと考えられてい
たもの。それが犯人?しかも殺された学者は、娘と共に「反
物質」を作り出す研究を密かに行っており、その研究は成功
して、その「反物質」が犯人に持ち去られたという。
一方、ヴァチカンでは前法王が亡くなり、後任を選出する
ためのコンクラーヴェが開催されようとしていた。しかし、
そこに犯人から「反物質」を使ってヴァチカンを破壊すると
の通告が入る。さらに法王候補者4人の枢機卿が拉致され、
1時間ごとに1人ずつ殺害して、その後に破壊を行うという
のだが…。
果たしてラングドン教授は、このヴァチカン最大の危機を
回避することが出来るのか、というお話のようだ。
今回も殺された被害者の娘が協力者ということで、お話の
発端はかなり似たものになるようだ。ただし、主な舞台はロ
ーマで、紹介文によると『ダ・ヴィンチ』以上にスピーディ
でスリリング、正に映画的な物語が展開するとのこと。ロー
マの名所旧跡も多数登場して旅行に行きたくなる作品という
ことだが、それが映画化されれば旅行代りにもなりそうだ。
それにしても、前作ではヴァチカンの反発を買ってしまっ
たが、今回その危機を救うといっても協力を得ることは出来
るのだろうか。なお、報道ではロン・ハワード監督、トム・
ハンクスとの契約は未だとのことだが、2人が断る理由は見
当たらず、監督と主演は間違いなさそうだ。
それと、どうしても気になるのは「反物質」という言葉だ
が、SFにはよく登場するものの、実在させることは極めて
難しい。ダン・ブラウンのことだからその辺は綿密に調査し
て記述しているとは思うが、実在しないものを映像で描く際
には、くれぐれも細心の注意を払って貰いたいものだ。
* *
お次は、『キャプテン・ウルフ』でファミリー・コメディ
を成功させたヴィン・ディーゼルが、今度はロマンティック
・コメディに初挑戦する計画が発表された。作品は、題名が
“Player's Rules”というもので、内容は男女間の戦いを新
たな視点から描く…とされている。
実はこの計画、『SAYURI』などの脚本家ロン・バス
が、最初はシリアスドラマのアイデアを持ってディーゼルの
家を訪ねたのだが。話し合い中で彼がロマンティック・コメ
ディをやりたがっていることが判り、1997年の『ベスト・フ
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06月01日(木)
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