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On the Production
by 井口健二
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■第111回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。 ※
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今回はこんな話題から。
“Spider-Man”や“X-Men”など、ヒット映画のスーパー
ヒーローキャラクターを輩出するコミックス出版社マーヴル
コミックスが、投資会社メリル・リンチから5億2500万ドル
の資金調達に成功し、10作品の映画化を自社で製作すること
が発表された。またそれらの作品の配給は、1作品を除いて
パラマウントが行うということだ。
そしてその第1弾として、2008年の公開を目指し、実写版
“Iron Man”の映画化を、『ザスーラ』のジョン・ファヴロ
ウ監督で行うことも併せて発表された。実は、この計画につ
いては2004年5月1日付第62回で紹介したように、以前には
ニュー・ラインと契約が結ばれて、数年前から進められてい
たものだったが、結局その計画は実現せず、昨年秋にはマー
ヴル社に権利が返却されていた。その計画を今回は自社で進
めるもので、すでにアーサー・マルカムとマット・ハロウェ
イという脚本家が契約されて作業が開始されているようだ。
また2008年向けにはもう1本、“The Incredible Hulk”
の計画も発表されている。この計画は、2003年のアン・リー
監督作品“Hulk”の続編となるものだが、あまり芳しい成績
を残さなかった前作に対し、マーヴル側からは「あの作品で
我々は、ハルクの基本の何かを掴み損ねたようだ」との発言
もされている。そこで今回は、“X-Men: The Last Stand”
を手掛けたザック・ペンを脚本に起用して、その何かを取り
戻すことになるようだ。ただし、製作予算は前作より縮小さ
れる見込みで、物語もあまり複雑なものにはしない方針だそ
うだ。なお、この作品のみ前作の契約の関係からユニヴァー
サルが配給を担当することになっている。
さらに、マーヴルでは2009年の公開を目指して“Captain
America”の計画も進めている。星条旗の連想するコスチュ
ームを纏うこのスーパーヒーローの起源は、1941年に初登場
というコミックスの歴史の中でも初期に属する。物語の発端
は、第2次世界大戦々時下という時代を背景に、入隊を希望
したものの体格審査で拒絶された少年が、軍の秘密研究で開
発された血清を投与されてナチと戦うsuper soldiersに変身
するというもの。しかし、その研究開発に従事した科学者は
ナチのスパイに暗殺され、彼は唯一のsuper soldierになっ
てしまったという設定だ。そしてその能力は、通常の人間の
10倍の反射神経を持ち、力は1/4トンの重量を持ち上げ、時
速30マイルで走ることができるとなっている。
因に、このキャラクターは、最初はジャック・カービーと
ジョー・サイモンという原作コンビで始められたが、1年後
彼らがDCに移籍したために、当時若手だったスタン・リー
が引き継ぎ、リーが初めて手掛けた作品とも言われている。
そしてこのシリーズは終戦と共に一旦は消滅するが、1960年
代にリーの手で“The Avengers”の一員として再登場し、今
度は共産主義者を相手に活躍を続けたというものだ。
また映像化では、1944年に15エピソードの連続活劇作品が
製作されている他、1979年、80年にTVムーヴィと、1989年
にはメナハム・ゴーラン製作による劇場映画も製作されてい
る。そして今回は、このスーパーヒーローを、『13デイズ』
『ロード・トゥ・パーディション』のデイヴィッド・セルフ
の脚本で進めることになっているものだ。
この他には、蟻を自由に操る能力を持った“Ant-Man”の
映画化を、ゾンビ映画のパロディとして異例の評価を受けた
“Shaun of the Dead”のエドガー・ライトとジョー・コー
ニスのコンビを起用してコメディタッチで行うことが検討さ
れている。さらに、『エア・フォース・ワン』のアンドリュ
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05月15日(月)
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