ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460264hit]
■第108回
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。 ※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
今回は情報が多いので早速始めることにしよう。
まずは続報からで、今年1月15日付の第103回で紹介した
“Ocean's Thirteen”について、改めて7月21日からの撮影
が正式に発表された。
この計画について前回は、ブラッド・ピットの去就は不明
と書いたが、スティーヴン・ソダーバーグ監督の下、ジョー
ジ・クルーニー、ピット、マット・デイモン、アンディ・ガ
ルシア、ドン・チードル、バーニー・マック、ケイシー・ア
フレック、スコット・カーン、エディ・ジェミスン、シャオ
ブー・クイン、カール・ライナー、エリオット・グールドの
男優陣は全員の再結集が決まったようだ。
しかし、女優に関してはエレン・バーキンが新たに参加す
ることになり、ジュリア・ロバーツとキャサリン・ゼタ=ジ
ョーンズは、脚本上では今回は主な配役には入っていないと
のこと。もっとも、ロバーツもゼタ=ジョーンズも、前作、
前々作の役柄では、どちらかというとオーシャンの計画に反
対する立場だったから、物語の流れでは居なくてもいいのか
も知れない。ただしカメオ的な出演が否定されていないよう
だ。一方、新登場するバーキンは、デイモンの役柄に絡むと
いうことだが、年齢的にはバーキンの方が16歳上のはずで、
これは母親的存在なのだろうか。ただし詳しいストーリーは
明らかにされていないものだ。
また、第1作はラスヴェガス、第2作はヨーロッパを舞台
にして、ほとんどがロケーションで撮影されたものだが、第
3作の撮影は、バーバンクのワーナー撮影所にある5つのサ
ウンドステージをフルに使って大掛かりなセットを組み、そ
れを中心に行うとされている。これは、ソダーバーグ監督と
クルーニーが、現在ポストプロダクション中の戦後混乱期の
ベルリンを舞台にした“The Good German”を、オールセッ
ト撮影で実現して味を占めたためだそうだが、今回組まれる
セットでは、舞台となるカジノ自体にもかなりの仕掛けが施
されることにもなるようだ。
ところで、『オーシャンズ11』のオリジナルで1960年に製
作された『オーシャンと十一人の仲間』に出演したラット・
パックことシナトラ一家の作品では、1964年に彼らの最後の
結集と言われた“Robin and the 7 Hoods”(7人の愚連隊)
という作品がある。この作品に関しては、2002年2月15日付
第9回で紹介したように、衛星記者会見でクルーニーにその
リメイクはしないのかと質問したことがあるが、そのときの
答えは、「あれは名作だからリメイクは難しい」というもの
だった。しかし、実はその作品には仕掛け一杯のカジノが登
場して観客を楽しませてくれたものだったのだ。その物語で
は、禁酒法時代のシカゴで違法営業のカジノが、警察の手入
れの際に一瞬で別のものに変身する仕掛けだったが、これは
ひょっとして…という感じもしてくるところだ。
脚本は、1998年にマット・デイモンが主演した『ラウンダ
ーズ』などのブライアン・コペルマンとデイヴィッド・レヴ
ィーン。公開は2007年の夏の予定とされている。
因に、クルーニーはオスカー受賞記念の休暇の予定だった
ようだが、ソダーバーグ監督もピットもデイモンもスケジュ
ールは満杯。特に、ソダーバーグは上記作品のポストプロダ
クションに並行して、すでに次回作のベニチオ・デル=トロ
主演でチェ・ゲバラの伝記映画“Guerilla”の一部撮影に入
っていたし、デイモンは自分の主演シリーズの第3作“The
Bourne Ultimatum”の準備中だったそうだ。しかし、製作者
のワイントルーブの説明では、「我々5人は本当に親しい友
人だから、何かあると、お互い自己犠牲をしても結集する」
のだそうで、奇跡に近い再結集が、あっと言う間に実現した
[5]続きを読む
04月01日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る