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On the Production
by 井口健二
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■ナルニア国物語・第1章ライオンと魔女、ニュー・ワールド、ウォーターズ、イーオン・フラックス
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※
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『ナルニア国物語・第1章ライオンと魔女』
“The Chronicles of Narnia:
The Lion, the Witch and the Wardrobe”
1950年に発表されたC・S・ルイス原作ファンタシーシリー
ズの第1巻の映画化。『指輪物語』と並び称せられる原作だ
が、同じ原作からは1989年にBBCでミニシリーズ化された
ことがあるのみで、本格的な映画化は今回が初めてだったよ
うだ。
第2次世界大戦の頃の物語。主人公は、ナチスの空襲を避け
て田舎の屋敷に疎開してきた4人の兄弟姉妹。
ある日、末っ子のルーシーは、隠れんぼで隠れたタンスの奥
が広大な雪国ナルニアに続いていることを発見する。しかし
次に行こうとしたときにはナルニアに続く道は開かれず、兄
姉に直には信じてもらえない。
しかしある日、再び偶然が重なって4人は揃ってナルニアを
訪れることになる。そしてそこは、魔力によって100年の冬
に閉ざされ、その禍いを解く2人のアダムの息子と2人のイ
ヴの娘の到来が待たれている場所だった。
僕にとってこの原作は、確か高校生の時に初めて原書で読み
切った本で、その意味でもこの映画化は待ち望んでいたもの
だ。実はこの後のシリーズはいろいろな事情で読まなかった
ものだが、これをきっかけにまた読む機会を与えられたよう
な感じもする。
物語は勧善懲悪。主人公たちが乞われて悪に立ち向かって行
く姿は、特に子供が主人公ということでも、子供の読者、観
客には最高の贈り物という作品だろう。そしてそれは大人に
なってからでも存分に楽しめるものだ。
ただ、原作からの印象で言うと、弟エドマンドはもっと陰湿
で、魔女に取り入ろうと画策する様子が描かれていたように
思ったが、映画化でそこをさらっと流しているのは、今の時
代にはそぐわないと判断されたのだろうか。もっとも僕はそ
の描写に耐えられずに何度も読書を止めようとした記憶があ
るから、無くてほっとしたところでもあるが。
映画の巻頭で、空襲の様子が丁寧に描かれるのは、観客に時
代背景を理解させる意図と思われるが、後半のナルニア国で
の戦いとの対比でも効果があったようにも感じられた。子供
向けの映画に戦争を描くことの是非はあるが、結局は『最後
のたたかい』まで続く物語だから、これは仕方がない。
シリーズの映画化は、続けて第2作『カスピアン王子のつの
ぶえ』の製作が発表されており、全7巻に続く物語は、これ
からしばらく楽しめそうだ。
『ニュー・ワールド』“The New World”
『シン・レッド・ライン』のテレンス・マリック監督による
イギリス人とアメリカ先住民の交流を描いた作品。1995年に
ディズニーがアニメーションで描いた『ポカホンタス』の物
語の実写による再映画化。
1607年。アメリカ大陸北部の海岸にイギリスから新大陸の開
拓を目指す船団が到着する。しかしそこには先住民たちが暮
らしていた。そんな状況の中、船で反乱罪に問われていたジ
ョン・スミスは、船長からその勇気を買われ先住民との交渉
役に任命される。
こうして先住民との交渉に向かったスミスだったが、辿り着
いた集落で先住民の王の前に引き出された彼は危うく殺害さ
れそうになる。ところがその時、王の娘ポカホンタスが彼の
命乞いをし、命を救われたスミスは先住民との交渉を始める
のだが…
実はディズニーのアニメーションは見ていないのだが、紹介
文によるとジョン・スミスとポカホンタスの恋は、民族間の
争いの中で成就されないとされている。しかし今回の映画化
された物語はそこでは終わらない。その後のポカホンタスの
生涯が描かれたものだ。
実は映画の最後にテロップが表示され、時間が短くて全部は
読めなかったが、物語は歴史的事実と記録に基づくと書かれ
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02月14日(火)
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