ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■SPL、プリティ・ヘレン、ヒストリー・オブ・バイオレンス、沈黙の脱獄、シムソンズ、トム・ヤム・クン!、スカイ・ハイ
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。     ※
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『SPL狼よ静かに死ね』“SPL殺破狼”
『ブレイド2』などのハリウッド映画や、『セブンソード』
などの大型中国映画でも活躍するドニー・イェンと、ブルー
ス・リー時代からの大ベテラン=サモ・ハン共演の格闘技ア
クション作品。
殺破狼(シャ・ポー・ラン=SPL)とは、中国占星術で反
乱を司る七殺・破軍・貧狼の3星を示す。それらはそれぞれ
悪の象徴であるが、その組み合わせによっては人を豊かにす
ることもできるという。この映画はそんな宿命を背負った3
人の男の物語だ。
主演の1人サモ・ハンが演じるのは、極悪非道な裏社会の帝
王ポー。しかしついに、ポーを終身刑にできる証人が現れ、
ポーは収監されて裁判を待つ身となるが、その証人を乗せた
警護車が襲われ、証人の居ない裁判ではポーは無罪放免とな
る。
それから数年後、警察ではチャン刑事(『トゥームレイダー
2』などのサイモン・ヤム)をリーダーとするチームがポー
をマークし続けているが、ポーの権勢は変らないまま。しか
もチャン刑事には、脳腫瘍で余命1年との診断が下される。
そこでチームは、格闘技の達人で容疑者を廃人にしてしまっ
た過去を持つマー刑事(イェン)を迎えることになる。しか
しチームとの融和は難しい。そしてチャン刑事の退職の前日
チームにポーの殺人を立証する新たな証拠が提供されるが…
画面外から衝突の音響が響き、カメラが移動すると大破した
自動車が画面に入ってくるなど、映画の前半は音響を利用し
た演出で観客を引きつける。特にイェンが参加してからの最
初のサモ・ハン登場シーンでの音響による導入演出は見事だ
った。
観客は、当然イェン対サモ・ハンの新旧格闘技対決を期待し
てくる訳だが、そう簡単に安売りはしない。勿論そこまでを
引っ張るアクションシーンはいろいろ提供されるが、それに
緩急をつけるかのような音響の演出は、特に効果的に使われ
ていた。
そして、最後の対決へと雪崩れ込む展開だが、その前哨戦に
は4度の中国武術チャンピオンに輝くという新時代のアクシ
ョンスター=ウー・ジンとイェンとの激烈な対決が描かれる
など、特に後半のアクションの強烈さは、さすが香港映画と
いう作品だった。
監督は、『トランサー・霊幻警察』などのウィルソン・イッ
プ。また、原題タイトルの筆文字をアンディ・ラウが手掛け
ている。

『プリティ・ヘレン』“Raising Helen”
1990年にジュリア・ロバーツを一躍トップスターにした『プ
リティ・ウーマン』(Pretty Woman)のゲイリー・マーシャ
ル監督による2004年作品。
マーシャル監督+タッチストーン作品では、『プリティ』の
冠がつけられる。原題を見れば判る通り別段シリーズという
訳ではないが、いわゆるラヴ・コメとはちょっと違って、男
女の恋愛よりも女性自身の生き方を主題にしているという共
通点があり、その意味ではブランドの意味はありそうだ。
そして今回の主人公は、モデル業界で社長の右腕と目される
敏腕エージェント=ヘレン。ファッション雑誌の表紙を飾る
トップモデルを次々に誕生させ、その選出眼や売り込みの上
手さは超一流だ。そしてその生活も、マンハッタンに住み独
身を謳歌していた。
ところが、主人公を3女とする3人姉妹の長女夫妻が事故で
亡くなり、3人の子供が残される。しかも母親の遺書には、
子供の親権を結婚して子育ての経験もある2女ではなく、主
人公に委ねると書かれていた。
これには主人公も2女も猛反発だったが、2人は姉の残した
手紙を手渡され、なぜか納得してしまう。そして突然3人の
子持ちとなった主人公は、最初は大張り切りだったが、子供
にかまけてトラブルを頻発させ、ついに職場を馘になってし
まう。

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02月13日(月)
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