ID:47635
On the Production
by 井口健二
[460180hit]

■第104回
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。       ※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
 今回は、日本時間でアカデミー賞の候補作が発表された日
付けの更新だが、この候補作については次回にゆっくり検討
することとして、ここではいつもの製作ニュースから紹介し
よう。
 まずは“Spider-Man 3”の撮影が開始されたサム・ライミ
監督に、早くも次回作の計画が発表されている。
 その作品は、テリー・プラシェットというイギリスの作家
が2003年に発表した“The Wee Free Men”と題されたヤング
アダルト小説の映画化で、お話は、農場に住んでいる9歳の
少女が、モンスターの棲む妖精の国の女王に拉致された弟を
救出するため、モンスターに闘いを挑むという冒険ファンタ
シー。その彼女の冒険には、身長6インチで蒼い顔をして、
酷いスコットランド訛りで喋る大酒飲み妖精が協力するとい
うのだが…。因に、原作は“Disc World”というシリーズの
内の1巻だそうだ。
 そして、この原作に『ティム・バートンのコープス・ブラ
イド』などの共同脚本を務めたパメラ・ペトラーが注目し、
自ら脚色してソニーに映画化を持ちかけたもので、これにラ
イミが反応したということだ。なおペトラーは、ソニーでは
ロバート・ゼメキスの監督で、この春に公開されるパフォー
マンス・キャプチャーの第2作“Monster House”の共同脚
本も手掛けている他、2005年8月1日付の第92回で紹介した
ティム・バートンが製作を手掛ける“9”の長編化や、ダグ
・リーマン監督“Nick Tungsten, Nightmare Hunter”のリ
ライト、さらにロアルド・ダール原作“The Twits”の脚色
なども手掛けている。
 なお、製作は“Spider-Man 3”の完了次第ということで、
製作規模がどのくらいの作品になるかは不明だが、早ければ
2008年の夏の公開を目指すということになりそうだ。
        *         *
 一方、“Spider-Man 3”の製作は1月1日に本編の撮影が
開始されているが、トビー・マクガイア、キルスティン・ダ
ンスト、ジェームズ・フランコの主演トリオに、今回はトッ
ファー・グレイスとトーマス・ハイデン・チャーチが敵役で
参加。さらに『KAFKA/迷宮の悪夢』などのテレサ・ラ
ッセルが、チャーチ扮するサンドマンことフリント・マルコ
の妻を演じている。なおこの夫妻には娘もいるようだ。
 そしてもう一人、グウェン・ステイシーの役名でブライス
・ダラス・ハワードの出演が発表された。この役名は、原作
のコミックスでは、メリー・ジェーンの親しい友人で、実は
ピーターの高校時代のガールフレンド=最初の恋人とされて
いるもの。しかし、警官だった彼女の父親がドク・オクとの
闘いに巻き込まれて死亡したことから、スパイダーマンには
恨みを持っているということだ。
 しかも、原作“Amazing Spider-Man”に登場する彼女は、
映画化の第1話に登場したグリーン・ゴブリンに誘拐され、
第121巻で描かれた橋上での闘いの中で悲劇的な最後を遂げ
ているということだが、映画化では、もはや橋上の闘いは過
去のこと。ということで映画の物語では、ピーターを挟んで
MJとの恋の三角関係が演じられ、原作とはちょっと違う結
末が用意されているようだ。
 なおハワードの名前は、このサイトでは2003年6月1日付
の第40回“The Woods”(後に“The Village”に改題)の記
事で初めて紹介したものだが、この時に書いたように、実は
この配役は、“Spider-Man 2”の撮影が延びたためにキルス
ティン・ダンストが降板して急遽決まったものだった。とい
うことで、“Spider-Man 3”ではちょっと因縁のある2人の
共演となるものだ。
        *         *
 お次も、小説シリーズからの計画で、ジェフ・ストーンと

[5]続きを読む

02月01日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る