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On the Production
by 井口健二
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■第102回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。       ※
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 明けましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願いします。
 では早速ということで、今年最初の話題は、年末に発表さ
れたアカデミー賞視覚効果賞部門の予備候補の紹介から。
 まずは、今年も7本が選ばれた作品名を紹介すると、
“Batman Begins”
“Charlie and the Chocolate Factory”
“The Chronicle of Narnia: The Lion, the Witch and the
Wardrobe”
“Harry Potter and the Goblet of Fire”
“King Kong”
“Star Wars: Episode III-- Revenge of the Sith ”
“War of the Worlds”
となっている。
 この他では、“Kingdom of Heaven”“The Island”“Sin
City”“Stealth”“Zathura”などが選に漏れたと紹介さ
れていたが、特に“Sin City”に関しては、映像効果という
面では落選を惜しむ声が高いようだ。
 これに対してアカデミー側からは、「物語あってのVFX
であって、物語をサポートするVFXに高い評価が集まった
結果だ」という説明もされたようだが、一方でこの作品に関
しては、3つのエピソードごとに異なるf/xハウスが起用さ
れ、それぞれが競ってVFXを仕上げたものの、クレジット
上では視覚効果監督の表記がなく、全てがベルト・ロドリゲ
スの名前になっていることが問題にされたことも匂わされて
いた。「このようなことは、オスカーのf/x賞レース史上で
前代未聞のことだ」という論評もされていたものだ。
 しかし、1968年度の視覚効果賞は『2001年宇宙の旅』が受
賞しているが、この時の受賞者はスタンリー・クーブリック
となっており、従ってこの論評は事実誤認のものだ。もっと
もこれに関連して、ロドリゲスが監督協会を脱退したことも
影響しているようなことも書かれていたが、これは大いにあ
りそうなことで、所詮アカデミーというのはそんなものだと
いうところだろう。ただし、クーブリックも当時のアメリカ
監督協会には入っていなかったと思うが…
 なお7本の内で、“Narnia”“Potter”“Star Wars”と
“War of the Worlds”の4本はILMが担当した。ただし
“Narnia”はリズム&ヒューズ+ソニー・イメージワークス
との共同、“Potter”はフレイムストア+ダブル・ネガティ
ヴとの共同ということだが、今年もILMの強さが目に付い
たところだ。また、“Batman”はダブル・ネガティヴが主に
担当、“Charlie”はフレイムストアが主に担当している。
そして“King Kong”は言うまでもなくニュージーランドの
ウェタが担当したものだ。
 最終候補は今年も3本が1月31日に発表の予定だが、僕の
予想では、シリーズとしての進化に乏しい“Potter”“Star
Wars”と全体的に弱い感じの“Batman”、それに配給元は
ディズニーでも製作母体がドイツの“Narnia”も不利と考え
る。この考えで行くと“Charlie”“King Kong”と“War of
the Worlds”が順当なように思えるが、去年も予想は外し
ているから、この辺にしておこう。
        *         *
 もう1部門、長編アニメーション作品賞の予備候補には、
“Chicken Little”
“Gulliver's Travel”
“Hoodwinked”
“Howl's Moving Castle”
“Madagascar”
“Robots”
“Steamboy”
“Tim Burton's Corpse Bride”
“Valiant”
“Wallace & Gromit: The Curse of the Were-Rabbit”
の10本が選ばれた。ここで、予備候補が16本未満ということ
は、最終候補は3本ということになる。ただし、インド製作
の2番目の作品は未公開、2005年6月15日付第89回で紹介し
たTWCが配給する3番目の作品は12月23日にプレミアが行
われるが公開は未定のもので、確か10本以下だと候補が選ば

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01月01日(日)
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