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On the Production
by 井口健二
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■第99回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。       ※
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 今回は普通に製作ニュースから始めることにしよう。
 まずは、今年の夏に公開された『アイランド』では未来系
アクションに挑戦したスカーレット・ヨハンソンから、今度
は太古の女戦士アマゾンを演じる計画が発表された。
 この物語は、紀元前2世紀を時代背景としたもので、祖国
を外敵によって破壊された主人公が復讐に立ち上がるという
内容。題名は“Amazon”と発表されている。因にアマゾンと
いうのは南米の河の名前ではなく、ギリシャ神話に出てくる
女戦士のことだ。
 そしてこの計画は、元々は『アイランド』の撮影中にヨハ
ンソンの方から提案されたもので、同作の脚本を担当してい
たアレックス・カーツマンとボブ・オーチにアイデアが提示
された。しかし彼らは自分たちの得意分野ではないと判断し
たのか、概要のみをまとめて以後は製作を引き受けることと
し、代って来年6月にワインスタインCo.で製作される予定
の“Outlander”というヴァイキング映画を手掛けるダーク
・ブラックマンとハワード・マッケインに脚本をオファー。
彼らが執筆を契約したということだ。
 なお、執筆を契約したブラックマンは計画について、「映
画は『ワイルドバンチ』と『七人の侍』を合わせたようなも
のになる」と発言しているようだ。また、ヨハンソン主演の
新作“The Black Dahlia”の製作を担当し、本作も製作する
シグネチャー・ピクチャーズのモッシュ・ディアマントは、
「このような美しくてセクシーな女性が、こんなアイデアを
出してくるなんて…これは本当に特別な計画だ。神秘的な舞
台で繰り広げられる物語で、ラヴストーリーの要素もある」
と物語の概要を説明している。
 実際に計画が動き出すのは、マッケインが監督も担当して
いる“Outlander”以後となるが、勢いに乗るヨハンソンが
どのような女戦士ぶりを見せてくれることか。脚本家が挙げ
ている作品から察すると、仲間を集め策略を張っての戦いと
なりそうだが…これは楽しみな作品だ。
 因にヨハンソンの予定では、上記の“The Black Dahlia”
はブライアン・デ・パルマの監督ですでに撮影完了。他には
ニール・ジョーダン監督で“Borgia”という作品と、さらに
ワインスタインCo.が彼女の主演用に“The Nanny Diaries”
というベストセラーの映画化権を獲得したことも発表されて
いる。
        *         *
 続いては、上の記事にも名前が出てきたが、1969年のサム
・ペキンパー監督作品“The Wild Bunch”の現代版リメイク
が、『U−571』などの脚本家デイヴィッド・エイヤーの
監督で行われることになった。
 このリメイク計画については、2003年5月15日付け第39回
でも紹介しているが、元々ワーナー傘下のジェリー・ワイン
トローブの製作で数年前から進められていたものだ。そして
前回の情報では、エイヤーがこの脚本を契約したことが報告
されたものだった。しかしその脚本は、物語を現代化して全
体を大幅に改変するということもあって、それを任せられる
監督がなかなか見つけられないでいた。
 ところがここに来てエイヤーは、クリスチャン・ベールと
エヴァ・ロンゴリアの主演による“Harsh Times”と題され
た潜水艦アクション映画を、自宅を抵当に入れた自己資金で
製作して監督デビュー。しかもこの作品がトロント映画祭で
上映されて好評を博し、全米配給権が600万ドル以上という
好条件で契約されることになった。そしてこの成功を受けて
エイヤーは、ワイントローブに自らのリメイクに賭けるヴィ
ジョンを改めて説明、それが認められて監督も担当すること
になったということだ。
 つまりこの一件は、なかなか監督を見つけられない現状に

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11月15日(火)
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