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On the Production
by 井口健二
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■第98回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。 ※
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ようやく東京国際映画祭が終ったところだが、そこで見た
作品の紹介はもう少し後に書かせてもらうことにして、今回
はその前の10月20日に行われたティム・バートン=『コープ
スブライド』の記者会見の報告から。バートンは9月4日に
ジョニー・デップと共に『チャーリーとチョコレート工場』
の記者会見を行っており、1月半ぶりの会見となった。
そこで今回も質問をさせてもらったが、今回はジョニー・
デップと、もう1人僕が気になったマイクル・ゴーフを声優
に使った理由を聞いてみた。ゴーフは、バートンが1989年の
『バットマン』でアルフレッド役に起用し、その後1997年の
『バットマン&ロビン』まで、監督主演が替っても一貫して
その役を演じたが、今年の新生『バットマン・ビギンズ』で
はマイクル・ケインがその役を演じていたものだ。
そしてその回答は、デップに関しては、「ヘレナ・ボナム
=カーター、クリストファー・リーらと共に、『チャーリー
…』にも出演していたから」というもので、実際は、「同じ
俳優と昼間と夜に別々の仕事をするのは、かなりcrazyな状
況だったが、convenientだった」ということだ。
一方、ゴーフに関しては、実は通訳の人はその名前を知ら
なかったようだが、僕が名前を言うなりバートンはにこりと
してくれたもので、「クリストファー・リーとピーター・ク
ッシング、それにマイクル・ゴーフは、ハマー映画時代から
の自分にとってヒーローだった。だから起用した」というこ
とだ。僕としては、元々アルフレッド役に起用したことにつ
いても聞きたかったものだが、ちょうどそれについての答え
にもなっていた感じで、うれしい回答だった。
この他の質問に対しても、撮影中にデップと共に現在ロン
ドンに居住しているレイ・ハリーハウゼンの家を訪ねたこと
や、そのハリーハウゼンが後日スタジオを訪れて、その日は
アニメーターたちが大騒ぎになって、1日撮影が進まなかっ
たことを話したり、さらに、ブライドに蜘蛛が着付けをする
シーンは、ディズニーの作品で小動物たちが着付けを手伝う
シーンへのオマージュのつもりだなど、かなりマニアックな
話題が多く飛び出した。
また、会見中のバートンの横には撮影に使用した人形と、
日本で販売用に作られたキャラクター人形が置かれていたの
だが、最初に「人形の顔が蒼いのは時差ボケのせいだ」と言
ったり、後では、何度か日本製のキャラクター人形が倒れる
度に係の人が立て直すのを見て、「彼らが出演していたら、
今頃はまだ撮影中だっただろう」とジョークを飛ばすなど、
バートンにとっても僕らにとっても楽しい会見になった。
次回作の計画などは聞けなかったが、人形アニメーション
については、また適当な題材があれば続けていきたいと言う
ことで、それを将来への展望としてこの報告としたい。
* *
さて、以下は定例の製作ニュースだが、最初は続報と言う
より訂正に近いもので、前回報告した“Deja Vu”に関し、
トニー・スコット監督の降板が撤回されることになった。
前回の情報では、撮影を予定していたニューオルリンズの
市街がハリケーン・カタリーナの直撃で破壊されたために撮
影の延期を余儀なくされ、このため監督とのスケジュール調
整がつかなくなった…ということだったが、実は降板の理由
は、製作者側から撮影地をサンフランシスコ若しくはシアト
ルに移すという案が出て、それにスコットが難色を示したこ
とも一因だったようだ。
しかし、代替ロケ地をただちに用意するのは難しく、主演
のデンゼル・ワシントンが認める監督を見つけるのも困難。
また、元々が税金対策で決めたルイジアナ州を離れるのは、
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11月01日(火)
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