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On the Production
by 井口健二
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■第96回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。       ※
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 今回も訃報からになってしまった。
 1965年から70年まで放送され、一世を風靡したとも言える
スパイ・パロディ“Get Smart”(それ行けスマート)で、
主人公のエージェント86号=マックスウェル・スマートを演
じ、初年度から3年連続のエミー賞にも輝いたコメディ俳優
ドン・アダムスが、骨のリンパ腫と肺疾患の併発により2年
間の闘病の末亡くなった。享年82歳。
 映画の『007』、そしてテレビの『ナポレオン・ソロ』
のパロディとして製作された“Get Smart”は、実は企画が
メル・ブルックスとバック・ヘンリーという後に映画界にも
進出する作家たちによるもので、革靴の裏にダイアルのある
シューズフォンなど、微妙なセンスの光る見事なドタバタコ
メディだった。
 これに主演したアダムス(本名ドナルド・ジェイムズ・ヤ
ーミー:因に、Adamsは最初の夫人の苗字で、オーディショ
ンを受ける際にはアルファベット順で呼ばれることが多く、
Yarmyでは待ちくたびれるので芸名を付けたそうだ)は、ニ
ューヨークの出身。第2次大戦後にスタンダップコメディア
ンとしての評価を得てオーディション番組に応募、そこで優
勝し、ヴァラエティ番組『ペリー・コモ・ショウ』のコント
コーナーなどを経てスマートの役に抜擢されたものだ。
 また“Get Smart”の終了後には、71年の“The Partner”
(二人はパートナー)を始め、いくつかのシリーズに主演す
る傍ら、“Get Smart”でエピソードを監督した経験を活か
してCM監督にも進出、CM業界では最高の栄誉と言われる
クリオ賞で監督部門の受賞も記録されている。さらにテレビ
アニメーションの声優も担当しており、初期に“Tennessee
Tuxedo”と、後年にはマシュー・ブロデリック主演で実写映
画化もされた“Inspector Gadget”の主演を90年代の終わり
まで務めていた。
 一方、“Get Smart”では、1980年に劇場版の“The Nude
Bomb”(0086 笑いの番号)に主演、その後2本のTVムー
ヴィと、95年のリヴァイヴァルシリーズにも出演している。
なおリヴァイヴァルシリーズでは、スマートはバーバラ・フ
ェルドン扮するエージェント99号と結婚してチーフの職にあ
り、父の跡を継いだ息子のザックがスニーカーの裏にプッシ
ュボタンの付いたスニーカーフォンを使っていたそうだ。
 そして現在、2004年8月15日付の第69回でも紹介したよう
に、この“Get Smart”の再度の劇場版の計画が『ブルース
・オールマイティ』などのスティーヴ・カレルの主演で計画
されている。この作品は、2006年の公開予定でまだ製作開始
が伝えられないのは気になるところだが、それは別として、
できればアダムスには顔だけでも出してほしかったものだ。
それが叶わなかったことには残念と言う他はない。
 ご冥福をお祈りしたい。
        *         *
 以下はいつもの製作ニュースを紹介しよう。
 まずはアニメーションの『マダガスカル』が、アメリカ国
内の興行収入約2億ドルに加えて、海外でも3億ドル以上の
大ヒットを記録したのを受けて、その続編の計画がドリーム
ワークス・アニメーションから発表されている。
 同作の関連では、すでに脇役として登場したペンギンたち
を主人公にしたスピンオフ作品が製作、公開されているが、
この作品は基本的にはDVDセル用に製作されたもので、今
回の発表は正真正銘の劇場公開向けの続編の計画ということ
だ。といっても、具体的な内容は未発表。ただし続編と言う
からには、あのエンディングの後の物語になるはずだが…
 実は今回の発表で、主人公4人組の声の出演者の内、ベン
・スティラー、クリス・ロック、ジェイダ・ピンケット・ス

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10月01日(土)
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