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On the Production
by 井口健二
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■ミート・ザ・ペアレンツ2、欲望、もっこす元気な愛、ダウン・イン・ザ・バレー、ベルベット・レイン、シルバーホーク、デッドライン
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。     ※
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『ミート・ザ・ペアレンツ2』“Meet the Fockers” 
ジェイ・ローチ監督、ベン・スティラー、ロバート・デ=ニ
ーロの共演で、2000年に大ヒットを記録したコメディ“Meet
the Parents”の続編。
前作で、元CIA尋問官で超堅物の彼女の父親を懐柔し、結
婚の許可を取り付けることに成功した主人公だったが、次な
る難問は超自然派の自分の両親に堅物親父を引き合わせるこ
とだった。
前作の最後で、デ=ニーロ扮する彼女の父親が「自分の子供
にGaylord(主人公の本名)なんて付ける親はどんな奴なん
だ」とつぶやくシーンがあり、今回はその名付けの主との対
面の話となったものだ。
出演は、デ=ニーロ、スティラー、ブライス・ダナー、テリ
ー・ポロの前作のメムバーに加えて、主人公の両親役にダス
ティン・ホフマンと、これが8年ぶりの映画出演となったバ
ーブラ・ストレイサンド。
因に監督のローチは、本作のために『銀河ヒッチハイク・ガ
イド』を降板したものだが、この顔ぶれを演出できるならそ
れも仕方がないというところだろう。特にホフマンとストレ
イサンドの名演技ぶりは、デ=ニーロもたじたじという感じ
だった。
物語の中で主人公は、両親を弁護士と医者と紹介しているの
だが、実は父親は元弁護士だが、主人公が生まれたときに仕
事を辞めて現在は自然農園を営みながらの主夫業に徹し、一
方の母親は、高齢者向けのセックスカウンセリングを本業と
しているというもの。
この柔軟な両親と堅物親父とが、どうやって融和して行くか
が今回のメインテーマとなるものだ。そしてこれに、いわく
ありげな彼の家の元メイドとその一人息子や、堅物親父が厳
格教育中の幼児、それに両家の犬猫までもが加わって、大混
乱が勃発する。
前作では、デ=ニーロとスティラーが、裏を掻いたり掻かれ
たりの虚々実々駆け引きが面白かった記憶があるが、本作は
もっとストレートに、ちょっとした行き違いが生じさせる普
遍的なコメディという感じのものだ。
その普遍的な分で、アメリカでは‘大’ヒットという感じに
はならなかったようだが、お陰で日本人にも判りやすいコメ
ディにはなっている。
また、ストレイサンドの役柄の関係で、艶笑コメディと呼び
たくなるほどのかなりきわどい台詞や演技も頻出するが、そ
れでもアメリカでR−13指定で済んでいるのは、演じている
人たちの人徳の成せる技というところだろうか。
以下、ネタばれがあります。 
なお、試写会の後で、デ=ニーロの後半の心変りの説明がい
い加減だと怒っている人がいたが、これだけのことで自分を
正せる人物には、僕は男のロマンのようなものを感じて逆に
憧れを持つものだ。でも、それを理解できない人もいること
には、気を留める必要がありそうだ。

『欲望』
小池真理子原作の映画化。同じ原作者の映画化は、今年2月
に紹介した短編集『フィーメイル』の一篇を見ているが、長
編映画化は今回が初めてのようだ。
『知的悪女のすすめ』が有名な小池は、確か創作の第1作が
ミステリーだった筈で、今回の映画化に対してはその方向の
期待も持って見に行ったのだが、何と言うか男性の僕にはち
ょっと判りにくい作品だった。
主人公は妻子ある男性との不倫関係に甘んじている学校図書
館司書の女性。
彼女には学生時代に仲の良かった男女の仲間がいて、その1
人でピアニストを目指していた女性が年の離れた資産家の精
神科医と結婚することになる。そしてその自宅で催されたパ
ーティで男性とも再会する。
その男性はピアニストの女性に恋心を持っていたように見え
るが、実は交通事故で男性機能が不全となり、その時、見舞
いに来た主人公を襲ったものの何もできなかった思い出があ

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09月29日(木)
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