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On the Production
by 井口健二
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■キャプテン・ウルフ、真夜中のピアニスト、蝋人形の館、800発の銃弾、ヘイフラワーとキルトシュー、ふたりの5つの分かれ路
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※
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『キャプテン・ウルフ』“The Pacifier”
『リディック』『XXX』『ワイルド・スピード』などのア
クション俳優ヴィン・ディーゼル主演によるホーム・コメデ
ィ。監督は、『女神が家にやってきた』のアダム・シャンク
マン。
アクション俳優がコメディに挑戦するのはハリウッドでは定
番の路線だが、それぞれそれなりの成果を上げるのは、アク
ションの身のこなしや勘所が、コメディの演技にも通用する
ということなのだろうか。本作もそんな感じの作品だ。
主人公は海軍特殊部隊のリーダー。今日も、重要機密を握る
博士の救出作戦を敢行するのだが、今一歩のところで作戦は
失敗、自分は重傷を負い博士も死なせてしまう。
そして2カ月後、傷の癒えた主人公に新たな任務が発せられ
る。それは、博士の重要機密を入手するため未亡人がスイス
の貸金庫に向かう間、家に残る5人の子供たちの身の安全を
守り抜くこと。
しかし子供たちは、父親を亡くしたばかりで情緒不安定。一
方、子供の頃から寄宿制の士官学校で育った主人公には、子
供の扱い方など判るはずもない。こうして悪戦苦闘の任務が
開始されるのだが…
映画はいきなり救出作戦のアクションから始まり、その後も
ことあるごとにアクションが展開する。しかし、それを単純
などたばたコメディにはせず、アクションはアクション、コ
メディはコメディと、それぞれがしっかり描かれているのが
素晴らしいところだ。
この辺は、多分アクションはお任せで行けそうなディーゼル
と、コメディをしっかりと撮れるシャンクマンの息がピッタ
リと合っているというところだろう。
しかも、展開の中に『サウンド・オブ・ミュージック』がう
まく援用されていて、その辺の捻りもうまく機能していた。
つまり、軍隊のように育てられた子供たちの許に現れる奔放
なマリア先生とは正反対に、自由気ままな子供たちの中に軍
人の主人公が現れるという訳だが、そんな裏返しのギャップ
もうまく描かれていた。まあ無茶な展開も多少はあるが、そ
れなりにバランスは取れていた感じだ。
慣れない男の子供の世話ということでは、エディ・マーフィ
の“Daddy's Day Care”と比較できるが、全員幼児のマーフ
ィ作に比べて、こちらの長男長女はハイティーンの設定。そ
こには青春映画に雰囲気もちょっとあって、それも良い感じ
だった。
なお試写会は日本語吹き替え版で、小学生以下の子供が満載
の会場だったが、そこそこ静かに見られたのは、アクション
に絡めた笑いがうまく機能していたと言うところだろう。さ
すがディズニーという感じの作品だった。
『真夜中のピアニスト』
“De Battre Mon Cœr S'est Arrêté”
1978年に公開されたハーヴェイ・カイテル主演のアメリカ映
画“Fingers”(邦題:マッド・フィンガー)を、現代のパ
リを舞台にリメイクした2005年のフランス映画。
かなり暴力的な手段で地上げを行う不動産ブローカーの主人
公が、ある日、昔の知人から彼の隠された才能であるピアニ
ストのオーディションを受けることを勧められる。そして、
再びピアノに向かい始めた彼は、ピアノこそが自分の人生で
あることに気付くのだが…
オリジナルは、ガイド本によるとかなり高い評価を受けてい
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07月31日(日)
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