ID:47635
On the Production
by 井口健二
[459634hit]

■第87回(前)
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。       ※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
 今回はニュースが多いので早速始めることにしよう。
 まずはシリーズの情報で、1998年公開の第1作で全米興行
1億ドルを突破、2001年の第2作では全米2億ドル、全世界
では3億ドル突破の大ヒットを記録したブレット・ラトナー
監督、クリス・タッカー、ジャッキー・チェンの共演による
“Rush Hour”(ラッシュアワー)の第3弾が、順調に行け
ば今秋からロサンゼルスとパリで撮影を行い、来年夏の公開
を目指すことが製作元のニューラインから発表された。
 この計画は、『ラッシュアワー2』も手掛けた脚本家のジ
ェフ・ネイザンスンが提案したアイデアにニューラインの首
脳陣が反応したもので、すでにラトナー監督とチェンも参加
を表明し、タッカーも乗り気になっているということだ。
 因に、『フィフス・エレメント』や『ジャッキー・ブラウ
ン』にも出演しているタッカーは、1998年以降は『ラッシュ
アワー』以外ではスクリーンに登場していないが、これは彼
自身の出自であるスタンダップ・コメディアンの仕事が忙し
いのと、友人のマイクル・ジャクスンの裁判の支援活動を行
っていること、それにビル・クリントン元大統領のアフリカ
訪問に同行するなど社会的な仕事が多いため、とのことだ。
 しかし逆に言えば、これは良い仕事が来るまでじっくり待
てる体制が整っているということで、今回はその待っていた
仕事が、いよいよやって来たというところのようだ。
 そして今回の情報では、並行してタッカーがニューライン
と2本=4000万ドルの出演契約を結んだことも報じられてお
り、その1本目が“Rush Hour 3”になる可能性は高いとい
うものだ。また、もう1本には、やはりラトナー監督とのコ
ラボレーションで、1997年公開の“Money Talks”(ランナ
ウェイ)の続編を狙っているとの情報もある。
 なお今回の契約では、タッカーは2000万ドル〜配給収入の
20%を得るということだが、さらにチェンに対しても2000万
ドルの契約が結ばれるということで、これはアジアスターで
は初めての金額になるようだ。またラトナー監督にも750万
ドルの契約が結ばれるなど人件費の高騰で、総製作費は1億
ドル前後の作品になるということ。まあ、前2作のヒットの
具合を見ればそれも可能なものと言える。
 ただしラトナー監督は、同時期にユニヴァーサルとの間で
“Creature From the Black Lagoon”のリメイク計画も進め
ているそうで、その辺の調整が先に必要になるようだ。そし
てこの調整が完了し、タッカーの出演が正式に決まったら、
ネイザンスンが直ちに脚本の執筆に取り掛かることになって
いる。なお、ネイザンスンは何時の間にか“Indiana Jones
4”の脚本にも起用されていたのだそうで、その執筆はすで
に完了しているそうだ。
        *         *
 続いて、前回はリメイクの情報をまとめて紹介したが、今
回はこれもリメイクと言えないこともないが、テレビシリー
ズからの映画化の情報を3本紹介しよう。
 まず1本目は“Baywatch”(ベイウォッチ)。
 カリフォルニア沿岸のライフガードの活躍を描いた冒険シ
リーズで、全米ネットでは1989−90年シーズンに1年間だけ
NBCで放送されたものだが、その続きが独立局向けのシン
ジケーション番組として10年以上も製作されたという作品。
その映画版の計画がドリームワークスで進められている。
 オリジナルのシリーズは、デイヴィッド・ハッセルホフ扮
するミッチ・ブキャナンという主人公がほぼ一貫して登場す
るもので、後年は舞台をハワイに移したりもしたが、1995−
97年シーズンには、砂とサーフィンと太陽に彩られた本編か
ら独立して、“Baywatch Nights”という同じ主人公の夜の

[5]続きを読む

05月15日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る