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On the Production
by 井口健二
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■肌の隙間、トラブルINベガス、楳図かずお恐怖劇場、ハッカビーズ、0:34、ヒトラー、逆境ナイン、about love
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。     ※
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『肌の隙間』
『MOON CHILD』等の一般映画でも知られる瀬々敬
久監督による2004年作品。実は、瀬々監督はピンク映画が本
業だそうで、この作品も昨年ピンク映画として公開されてい
る。しかしその評価が高く、今回一般劇場で上映されること
になったというものだ。
ピンク映画については、前に『ピンク・リボン』という作品
を紹介したときに書いているが、今でも年間90本以上の新作
が作られていると言われており、本作はそのうちの1本とい
うことになるようだ。
物語は、引き篭りの男子高校生と、自閉症の叔母との逃避行
を描いたもので、それまで世間との接触をしたことのなかっ
た2人が、ヒッチハイクで襲われて性を意識し、無人の山荘
での獣のような行為や、その後に都会へ戻っての結末が描か
れる。
ピンク映画というので、もっとセックス描写が多いのかと思
ったら、それほどでもなく、逆に、特異なシチュエーション
でのドラマを追う努力が見える。とは言え、77分という上映
時間では余り深くは描けないが、それなりのものはあったよ
うに感じた。
『ピンク・リボン』の中でも、社会性のあるテーマのような
ことも言われていたが、このテーマの捉え方には、昔のゴダ
ールやトリュフォーの雰囲気も感じた。その意味では、その
手の映画に感動していた学生時代の自分も思い出してしまう
ような作品だ。
という言い方の裏には、実はある種の青臭さも感じているも
のだが、1960年生まれで一般映画にも実績のある監督が青臭
いはずはなく、これはテクニックだろうとも思ってしまう。
しかし、そのテクニックは、このテーマを描くのには似合っ
ていた感じもする。
それにしても、『ピンク・リボン』で語られた、何分置きか
セックス描写のルールは守られていないようにも思えるし、
これでピンク映画の観客は満足したのだろうか。評価は高い
というから、多分納得して見ているのだろうが、それも不思
議な感じがした。

『トラブルINベガス』“Elvis Has Left the Building”  
「1977年エルヴィスが亡くなったとき、エルヴィスのそっく
りさんを名告る人物は3人しかいなかった。それが2002年に
は世界中に5万人いるという。そしてこのペースで増え続け
ると、2012年には、世界の人口の4分の1はエルヴィスのそ
っくりさんになる…」
こんな人を喰ったテロップで始まるこの作品は、『マイ・ビ
ッグ・ファット・ウェディング』のジョエル・ズウィック監
督の2004年作品。キム・ベイシンガーの主演で、『マイ・ビ
ッグ…』のジョン・コーベットが二枚目を演じている。
ベイシンガーが演じるのは化粧品の訪問販売員で、カリスマ
とまで呼ばれている女性。幼い頃に母親がエルヴィスの車の
整備をしていた関係で、エルヴィスに家まで送ってもらった
経験があり、以来エルヴィスが心の導師となっている。
そんな彼女が仕事に少し疲れかけた頃。ふと立ち寄った店で
エルヴィスのそっくりさんに遭遇する。ところが、実際は似
ても似つかないその男にメイクの指導を頼まれて彼の楽屋を
訪れると、事故でその男が死んでしまう事態となる。
その後も、彼女の立ち回る先々にそっくりさんが現れ、目の
前で死ぬ事件が続発する。この事態に何故かFBIも動き出
す(理由は説明される)ことになるが…
そんな彼女の前には二枚目が現れて、好意を寄せてくれるの
だが、彼はエルヴィスの衣装を持っていた。そして舞台は、
ラスヴェガスで開催されるエルヴィスそっくりさん世界大会
の会場へと雪崩れ込む。
その間、要所にはシーンに合ったエルヴィスの歌が流された
り、そっくりさんの怪しげなパフォーマンスなど、エルヴィ
スの歌がふんだんに盛り込まれた作品だ。
それにしても、全部で何人のそっくりさんが死んだのかな?

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05月14日(土)
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