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On the Production
by 井口健二
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■第85回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。 ※
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今回はエイプリルフールの話題から。
前回4月1日付の記事で嘘情報を流したつもりはないし、
このページでは極力そういったまやかしの情報は流さないよ
うにしているものだが、今回のものはちょっと手が込んでい
て面白かったので、あえて紹介することにしよう。
今年12月の公開に向けて製作が進められているリメイク版
“King Kong”の公式サイト(www.kongisking.net)に、続
編“Son of Kong”の製作が開始されたという情報が紹介さ
れた。これは、サイト内のニュース欄に4月1日付でVideo
Diaryとして掲載されたもので、それを開くと、ピーター・
ジャクスン監督や、主演のナオミ・ワッツ、ジャック・ブラ
ックらも登場して、続編に対する意気込みや、すでに一部始
まっている撮影の内容などが映像で紹介されるというもの。
“Son of Kong”と記された続編の撮影台本はもちろん、デ
ザイン画や模型も登場するという手の込んだものだ。そして
最後に“King Kong: Into the Wolf's Lair”という撮影台
本の表紙が写って、嘘であることが暗示されるというものだ
が、かなりの大作で、監督や出演者もノリノリでこの偽情報
を作ったという感じがした。
“Son of Kong”というのは、言うまでもなく1933年に製
作公開されたオリジナル版の続編だが、70分の小品で大猿が
都会で暴れることもない作品でありながら、ファンにはそこ
そこの評価を受けている作品。現時点で、いくらヒットを確
信しているからといって、続編の撮影を開始するはずはない
し、ましてや続編を作るにしても、この1933年作をリメイク
をするとは考え難いものだが、それでもジャクスンがこの作
品のことも忘れていないよと言っているようで、何となく嬉
しくなるエイプリルフールといった感じだった。
それに、紹介されている特撮用のセットなどは、多分本編
の撮影にも使われている本物のセットなのだろうし、そうい
った意味ではかなり貴重な映像も紹介されている感じで、一
見の価値はあるというところだろう。上記のアドレスで無料
で公開されているので、一度覗いてみたらいかがだろうか。
* *
それともう一つ、これはエイプリルフールを狙ったもので
はないが、2007年から“A New Hope”など“Star Wars”の
オリジナル3部作を、3Dで順次再公開するという情報も登
場した。実はこの情報は、3月半ばに開催されたアメリカ興
行界最大のイヴェントShoWestの会場で、ジョージ・ルーカ
スが発言したもので、本来は嘘というものではないのだが、
その後にルーカスフィルムの幹部からそのような計画は全く
無いとの否定報道がされたものだ。
その経緯を紹介しておくと、このイヴェントではIn-Three
という会社からDimensionalizedという2D映像を3Dに変
換する技術が発表され、その席上で“A New Hope”の巻頭の
6分間の3D版が公開されたということだ。そしてその上映
後にルーカスから上記の発言が飛び出したというのだが…幹
部の発言によると、ルーカスはその数日前に初めて3D版を
見たばかりで、会社として何ら具体的な計画が検討されたこ
とはないということだ。
ただし、In-Three社の情報では、現状では長編1本を3D
化するには1年程度の時間が掛かっているが、将来はこれを
20日程度に縮めたいということで、現状でも今から作業に掛
かれば2007年5月の公開には充分に間に合うということのよ
うだ。つまり後はルーカスフィルムの意向次第ということに
なる訳で、出来るものなら実現してもらいたいものだ。
因に、“Star Wars”の3Dに関しては、以前にトレーデ
ィングカードのトップス社から、3Diと呼ばれるレンチキ
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04月15日(金)
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