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On the Production
by 井口健二
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■最後の恋のはじめ方、フィーメイル、コンスタンティン、ZOO、レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語、ブレイド3、帰郷
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※
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『最後の恋のはじめ方』“Hitch”
ウィル・スミス主演のロマンティック・コメディ。
スミスというと、『バッド・ボーイズ』から『アイ,ロボッ
ト』までアクションスターの印象が強いが、元々はグラミー
賞も受賞したラップ歌手でコメディのセンスも良い。従って
そのセンスの活きた『ID4』や『MIB』の人気が高いの
は当然のところだろう。
しかしロマンティック・コメディという形で主演するのは、
意外と初めてのようだ。
そのスミスが演じる主人公のヒッチは、他人の恋を成就させ
るデートドクター。口コミで営業する彼は、顧客の一途な恋
心を巧みな演出で相手の女性に伝え、百発百中で恋を成就さ
せてきた。そして今回も、セレブな女性に恋心を抱く証券マ
ンの恋の演出を始めたが…
一方、タブロイド紙記者のサラは、セレブ達の恋のスキャン
ダルを追う毎日だったが、自分自身の恋にはあきらめの気持
ちが日々増していた。ところが酒場で偶然ヒッチと出会い、
やがてゴシップに絡んで名前の出た彼に会いに行く。彼の本
当の仕事は知らないままに…
後の話はご想像に任せるが、物語の展開はともかく、特に前
半はヒッチの繰り出す恋を成就させるための手練手管が笑わ
せてくれる。相手の趣味や興味を調べ上げ、それに合わせて
偶然を装った演出を仕掛けるのだが、そのエピソードの積み
上げ方は見事なものだ。
ただ物語の全体では、ヒッチとサラの恋に至る過程が、ちょ
っとピンと来ない。多分こちらは一目惚れということになる
のだろうが、その辺をもう少し明確にするエピソードが欲し
かった感じもした。
ロマンティック・コメディというのはアメリカではかなりの
確率で大ヒットが生まれるが、日本では文化の違いなどでど
うもピンと来ないことが多い。特にアメリカ国内での南北問
題や人種問題などが根底にあると、違和感が大きくなる。
しかしこの作品ではそういった点は問題なく、どちらかとい
うとヒッチの繰り出す手練手管を見せることが主眼の映画だ
し、それは馬鹿馬鹿しいところも多々あるけれど、判りやす
くて面白い作品だった。
共演のサラ役は、『レジェンド・オブ・メキシコ』などのエ
ヴァ・メンデス。監督は『メラニーは行く』などのアンディ
・テナント。デートの背景として、ニューヨークの名所旧跡
なども次々に登場し、観光気分にもなれて、気楽に楽しめる
娯楽作というところだ。
『フィーメイル』
姫野カオルコ、室井佑月、唯川恵、乃南アサ、小池真理子と
いう今を代表する女流作家たちが、それぞれ映画化を前提と
して書き下ろしたエロスをテーマにした原作を、篠原哲雄、
廣木隆一、松尾スズキ、西川美和、塚本晋也の監督で映像化
したオムニバス作品。
僕は、日本映画は基本的にインディーズのものしか見ていな
いが、偶然にも、『深呼吸の必要』『ヴァイブレータ』『恋
の門』『六月の蛇』と、本作が2作目の西川監督を除く各監
督の近作を見ており、その意味でも興味深い作品だった。ま
た試写会では、松尾監督を除く4氏の舞台挨拶もあり、意外
と饒舌だったりシャイだったりと、監督の人となりを見られ
たのも収穫だった。
それで内容は、短編映画なのでストーリーを書くとネタばれ
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02月28日(月)
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