ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■クローサー、アナコンダ2、コントロール、シャル・ウィ・ダンス?、さよならさよならハリウッド、オオカミの誘惑
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。     ※
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『クローサー』“Closer”               
『卒業』などの名匠マイク・ニコルズ監督が、ジュリア・ロ
バーツ、ジュード・ロウ、ナタリー・ポートマン、クライヴ
・オーエンを迎えて描いたパトリック・マーバー原作の舞台
劇の映画化。                     
ロンドンの街角で運命的に出会った4人の男女が、互いに愛
し合い、傷つけ合いながら相互の関係を作り、壊して行く姿
を描いたドラマ。すでにポートマンとオーエンはゴールデン
・グローブ賞の助演賞を受賞、アカデミー賞の候補にも挙げ
られている。                     
新聞の死亡記事担当記者のダン(ロウ)は、街角で交通事故
を目撃し、その被害者のアリス(ポートマン)を病院につれ
て行く。やがて小説家として作品を完成したダンは、その裏
表紙に載せる肖像写真を撮るためにアンナ(ロバーツ)のス
タジオを訪れる。                   
一方、インターネットのチャットルームで女性を演じていた
ダンはアンナと名乗り、相手の男ラリー(オーエン)を水族
館に誘い出すが、そこには写真家のアンナが訪れていた。こ
うして4人の関係がスタートする。           
この4人が、最初はダン+アリスとアンナ+ラリーの関係だ
が、互いに別のカップルが生まれ、それぞれが男女の深い関
係を持ち、それを告白して傷つけ合う。         
互いの間では普通に嘘もつくし、相手が別の相手と関係を結
ぶことも容認しているはずなのに、肝心の所で嘘がつけなく
なって、真実を語ることで相手を傷つけてしまう。そんな微
妙なドラマが共感を呼ぶ物語というところだ。      
以下ネタばれがありますのでご注意ください。      
ただ、僕は仕事柄、事前にいろいろな情報を持って試写を見
ることになったのだが、原作の舞台と映画では構成に大きな
違いがある。その最たるものは、原作では登場人物たちがあ
るきっかけで久しぶりに集まり、思い出話を語り合う設定に
なっていることだ。                  
このため物語は、全く脈絡もなく時間が飛ぶし、同じシーン
が別の角度から繰り返されたりもする。この構成が目新しく
面白いのだが、映画ではこの設定と言うかプロローグを大胆
にもカットしているために、最初はちょっと戸惑う感じにも
なってしまった。                   
と言っても本作では、原作者が映画化の台本も執筆している
のだから、観客としてはこの設定変更を認めるしかないのだ
が、これによって、最後のシーンの重要な示唆が見逃されて
しまう恐れがあるようにも感じた。
それはともかくとして、ポートマンのかなり際どい描写も含
めた体当たりの演技は、素晴らしいの一言。これなら以前に
アミダラへのオファーに悩んだという話も理解できる。上記
の受賞も頷けるし、このままオスカーも獲得するのではない
かという予感も生じた。                
                           
『アナコンダ2』                   
     “Anacondas: The Hunt for the Blood Orchid”
1997年に、ジェニファー・ロペスをブレイクさせた『アナコ
ンダ』の続編。と言っても、出演者も舞台も全く異なる作品
で、全く新しい設定の物語が展開される。        
新薬開発で鎬を削る医薬品業界。その一つの研究開発会社に
ある蘭の花が持ち込まれる。その花からは動物の細胞の再生
能力を活性化し、寿命を大幅に伸ばす成分が抽出される。し
かし、その研究開発を完成させるためにはさらに多くの花が
必要とされた。                    

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02月14日(月)
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