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On the Production
by 井口健二
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■第78回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。       ※
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 明けましておめでとうございます。
 いよいよこのページも4回目の正月を迎えました。毎度変
りませんが、今年もよろしくお願いいたします。
 というところで、新年最初の話題は、ちょっと楽しみなこ
の情報から。
 ジョニー・デップ主演で、今春の撮影開始が予定されてい
る『パイレーツ・オブ・カリビアン』の2本の続編に、チョ
ウ・ユンファ出演の情報が流されている。
 この情報は、チョウの夫人が中国の新聞に語ったもので、
それによるとオファーされているのは、張保仔という実在し
た海賊の役。そしてこの出演交渉のために、ゴア・ヴァビン
スキー監督自身が香港に出向いて脚本の検討を行ったという
ことで、期待が膨らむところだ。
 因にこの海賊は、1800年前後に香港島を拠点に活動してい
たというもので、最盛期には3万人以上の部下と270隻以上
の船を保有していたとも言われている。また、彼が財宝を隠
したという洞窟は、現在も香港の観光名所の一つになってお
り、この他にも香港島には、彼に因んだ地名が随所に見られ
るということだ。
 そして張保仔本人は、海賊と言いつつも人望を集め、時の
清朝政府に対抗する勢力の象徴ともなるが、1810年に清朝か
ら派遣された香港総督の取った融和策によって投降、その後
は張宝と名を変えて海軍副長官も勤めるなど天寿を全うし、
中国史にも名を留める数少ない香港人の一人として、現在も
人気のある人物だそうだ。
 そんな訳で、この張保仔が当時のカリブ海まで出張って行
ったという可能性はほとんど無いものだが、そこはお話とし
て楽しみな登場人物になりそうだ。なお、出演交渉は続編の
2本分で行われたとされている。
 一方、この続編の撮影に関連しては、ロサンゼルスで総数
7000人という大規模なエキストラの募集も始まっている。
 これで募集されているのは、まず海賊役として、18歳から
50歳ぐらいまでの贅肉の無い痩せ形の人物で、特に美しい顔
立ちの必要はなく、歯が欠けていたり、目が虚ろだったり、
連続殺人鬼のような顔立ちが、特に好まれるということだ。
また、長髪で髭が生えていることも必要だが、これらは鬘や
メイクで見破れないものはOKとされている。
 この他にも、海兵隊員や水兵、町の人々、手足の無い人や
若い娘なども募集されているが、特に海賊の衣装を着けて、
一日中剣を振り回しながら走り回る役に、一番人気が集まる
だろうというのが大方の予想のようだ。
 撮影場所は、ロサンゼルスと、カリブ海のセントヴィンセ
ント島、期間は2月から2006年の始めまでということで、そ
の間の日当は118ドルが支払われる。1日約1万2千円で、
しかも期間が1年とは、毎日出番がある訳ではないにしても
かなり割りの良い仕事と言えそうだ。しかもその募集人数が
7000人というのだから、これは目茶苦茶大規模な募集という
ところだが、大ヒット間違いなしのハリウッド映画ではこの
ようなことが平然とできるということだ。
 なお、同時に撮影される計画の第2作、第3作には、すで
にジョニー・デップと、キーラ・ナイトレー、オーランド・
ブルームの出演が発表され、他に、ジェフリー・ラッシュの
再登場や、さらにスパロー船長の恋人のジプシー女役でサル
マ・ハエック、同じく船長の父親役でローリング・ストーン
ズのキース・リチャーズらの登場の情報もあり、かなり華や
かな作品になりそうだ。
 公開は、2006年の夏とクリスマスの予定になっている。
        *         *
 お次は、新シリーズ誕生かという情報で、すでに4作品が
映画化されているJack Ryanシリーズの作家トム・クランシ
ーが原案を担当し、ヴィデオゲームの形式で発表されている

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01月01日(土)
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