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On the Production
by 井口健二
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■セルラー、恋は五・七・五!、香港国際警察、スパイダー・フォレスト−懺悔−
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。 ※
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『セルラー』“Cellular”
携帯電話(セルラ−)に掛かってきた1本の通話。それは女
性の声で、自分が誘拐され家族の命が危ないと訴えている。
その声に真実であることを感じ取った主人公は、まず警察に
駆け込むが、他の仕事で忙しい彼らは取り合ってくれない。
そして…
ローランド・エメリッヒの盟友ディーン・デヴリン製作で、
『フォーンブース』などのラリー・コーエンの原案から新人
のクリス・モーガンが脚本化、『デッドコースター』のデヴ
ィッド・R・エリスが監督した作品。
物語は女性の声の主(キム・ベイシンガー)が、ジェイソン
・ステイサム(トランスポーター)扮する犯人たちに拉致さ
れるところから始まり、その監禁場所に放置されたバラバラ
の電話機を、理科の教師でもある彼女が修復して通話を試み
るという展開になる。
で、この通話をクリス・エヴァンス扮する主人公が受信する
のだが…
上記のストーリーとベイシンガーの登場では、かなりサスペ
ンス色の強いものを予想したのだが、その予想は見事に覆さ
れる。アクションから、時には笑い声が上がるほどのユーモ
アも交えて、実に軽快で快調な仕上がりの作品だった。
しかもサスペンスの押さえどころはしっかりと押さえられて
いるから、ハラハラドキドキもあるし、1時間35分の上映時
間をたっぷり堪能できる。何しろベイシンガーの恐怖演技に
ステイサムの強面だから、そこだけでサスペンスは完璧とい
う感じだ。
それに、ベイシンガーとステイサムの演じる役柄が何しろ頭
が良い。常に相手の先を読んで先回りし続けるし、一方、エ
ヴァンスはセルラー片手に駆けずり回らされる役柄だが、こ
ちらはセルラーの特徴をしっかりと掴んだ展開で、この脚本
の見事さにも感心した。
さらに次々に登場する謎が、観客をぐいぐいと引っ張り続け
る。コーエンは、前作で電話ボックスから動けなくなる主人
公を描いたので、今度は電話のお陰で移動しっぱなしになる
主人公を描いたということだが、その発想にも納得できると
ころだ。
監督のエリスは、前作は正直言って素材を掴み損ねている感
じがしたが、今回は彼の資質に合ったのか、ローラーコース
ター並に瞬時に変わる展開を生き生きと描き出している。な
お途中で写るテレビ画面には前作が放映されていたようだ。
主人公たちが最後まで諦めずに最善を尽くすことで、その結
果が勝ち取られる。そんなハリウッド映画の王道を行くよう
な作品。こういう映画は見ていて本当に気持ちが良い。
『恋は五・七・五!』
主人公の一人の高校生の餓鬼が煙草を吸い続けている。しか
も、物語の中では1カ所だけそれに言及するエピソードがあ
るが、それ以外は全く何の理由もなく喫煙のシーンが何度も
登場する。このような描写は青少年保護に関する現行法で認
められるのだろうか。
なお、僕が見たのは3月に公開予定の最終編集版ではなく、
それより数分長いということだったが、公開版ではこれらの
シーンがカットされることを切に望む。そうしないと青少年
に対する喫煙助長ということで、取り締まりの対象になる恐
れもある。
これは、憲法で保障された表現の自由とは全く違う次元の問
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01月14日(金)
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