ID:47635
On the Production
by 井口健二
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■サスペクト・ゼロ、ナショナル・トレジャー、コーヒー&シガレッツ、カナリア、MAKOTO、清風明月、失われた龍の系譜
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。     ※
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『サスペクト・ゼロ』“Suspect Zero”         
題名の意味は、連続して犯罪を犯しながら証拠を残さず、手
口などにも一貫性が無いために、捜査上でも連続犯罪と見做
されていない犯罪者のこと。日本で言えば、通り魔的な連続
犯ということになりそうだ。              
年間何万もの殺人や誘拐が起こり、その多くが未解決のアメ
リカでは、このサスペクト・ゼロの存在が囁かれている。 
そんな事実を背景に、この作品では、そのサスペクト・ゼロ
の一人を捕えながら、手続き上のミスで放免せざるを得なく
なり、結果自らも半年間の停職と、地方への左遷を余儀なく
されたFBI捜査官が主人公となる。          
そしてその捜査官が赴任したニューメキシコの片田舎で、一
件の殺人事件が起きる。それはFBIの登場を誘うように州
境で発生していた。                  
この捜査官に、『ザ・コア』などのアアロン・エッカートが
扮し、その同僚にキャリー・アン=モス、さらに事件の鍵を
握る謎の人物にベン・キングズレー。このキングズレーが過
去に関わったという“イカロス計画”なる国家計画が全ての
キーとなる。                     
脚本は、『X−メン2』を手掛けたザック・ペンと、『ニュ
ースの天才』では脚本と監督も務めているビリー・レイ。そ
して本作の監督は、2000年公開の『シャドウ・オブ・ヴァン
パイア』でオスカーノミネートされたE・エリアス・マーヒ
ッジ。                        
何しろ、物語の全てが最後の一点に帰着する脚本が見事だっ
た。主人公達のいろいろな苦しみや思いが全て、3人の登場
人物によって一点で結末を迎える。全く無駄の無い脚本で、
演出もその一点に向けて素晴らしい集中力を見せる。   
実は、試写会の帰り際に謎解きのプリントが配布されたが、
恐らくSFファンならこのようなプリントは不要だろう。実
はそういう物語でもある。               
この脚本には、シルヴェスター・スタローンやマット・デイ
モンらも興味を示し、さらにトム・クルーズが主演を希望し
て映画化権を獲得。結果クルーズの主演はならなかったが、
製作はクルーズの右腕、C/Wのポーラ・ワグナーが担当し
ている。                       
ただし、このクルーズが関わったという事実には、彼の最近
の作品の中で、成程と思わせるものもあるところだ。   
この種の作品で、これだけの満足感が得られたのは、昨年の
『“アイデンティティー”』以来のように感じた。    
                           
『ナショナル・トレジャー』“National Treasure”    
今の時期に、この題名、しかも3週連続興行トップを飾るほ
どにアメリカ人が熱狂した。先々週に『戦争のはじめかた』
を見たすぐ後にこの試写状が届いたときには、何かきな臭さ
を禁じ得なかったものだ。               
でもそれは全くの杞憂で、映画は全くそういうところの無い
アドヴェンチャー・アクション作品。とは言うものの、舞台
はワシントンDCからフィラデルフィア、アメリカ建国の英
雄たちの名前が次々登場するところには、今のアメリカで受
ける理由が判る気もした。               
背景は現代。解くべき謎は、200年前のアメリカ建国に大い
に力を発揮したとも言われるフリーメイソンの隠し財宝。そ
の後、行方不明になったと言われる財宝の在り処を巡って、
代々その謎を追ってきた一家の末裔が、ついに最大の手掛か
りを見つけるが…                   

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12月14日(火)
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