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On the Production
by 井口健二
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■第75回
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※このページは、キネマ旬報誌で連載中のワールドニュー※
※スを基に、いろいろな情報を追加して掲載しています。※
※キネ旬の記事も併せてお読みください。       ※
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 まずは記者会見の報告で、昨日付の映画紹介でも触れてい
るが、11月12日に『ポーラー・エクスプレス』の公開に合せ
たトム・ハンクスとロバート・ゼメキスの会見が行われた。
 その会見では特に新しい情報はなかったが、質問の中で、
「登場するホーボーのキャラクターについて、1973年公開の
『北国の帝王』を意識したか」という問が出て、ゼメキスか
ら、「当然意識しているが、ホーボーというのはアメリカの
アイコンの一つで、他にも『怒りの葡萄』等も参考にした」
という答えが返された。なるほどそうかという感じの答えだ
が、こういう裏打ちがキャラクターに真実味を出しているこ
とを理解できたものだ。
 また、パフォーマンス・キャプチャーの今後については、
すでに2作目の“Monster House”の製作に掛かっており、
今後も使える題材があれば、どんどん製作したいとのこと。
技術的にはアニメーションと実写の中間に位置するものと考
えており、アニメーションにはしたくないが、実写では不可
能なものを映画化していきたいということだった。これから
も作り続けるということで期待したい。
 なお、100年後の映画についてゼメキスは、フィルムはな
くなり、全てディジタルになるという意見だったようだ。当
然の答えではあるが。
        *         *
 ということで、以下は製作ニュースだが、最初は記者会見
の行われた『ポーラー・エクスプレス』を製作したトム・ハ
ンクス主宰プレイトーン社の情報で、同社から、新たな若年
向けファンタシーの計画が発表されている。
 作品の題名は“The City of Ember”。ジーン・デュプロ
ウという作家の原作を映画化するもので、この原作は、ヤン
グアダルト向けの書籍で全米ベストセラーを記録したものだ
そうだ。
 物語は、大気汚染によって地表での生活が困難となり、人
類は地下に潜って生き長らえている未来の地球を舞台にした
もの。その世界で、エムバーと呼ばれる地下都市に住み、地
上に出て各都市を結ぶメッセンジャーになりたいと願う少女
リナ・メイフリーと、防具を着けて地表に出て都市のエネル
ギー設備の修繕に従事している少年ドーン・ハローを主人公
にして進められるということだ。
 なお物語は、都市のエネルギー供給が減少し始め、設備の
根本的な修理が必要になるが、人々はその知識をすでに失っ
てしまっている。そこで、主人公の2人が古代の知識と、彼
らの世界がなぜこうなってしまったかを探る冒険の旅に出る
という展開になるようだ。
 そしてこの脚色に、『シザーハンズ』やティム・バートン
製作の新作“Corpse Bride”を担当しているキャロライン・
トムプスンが交渉され、さらに監督には、パフォーマンス・
キャプチャーによる第2作の“Monster House”で長編監督
デビューを飾ったジル・ケナンの起用が発表されている。
 なお、ケナンは本作で実写監督デビューを果たすとなって
いて、つまりこの作品は、パフォーマンス・キャプチャーに
よるものではないということだが、VFX多用の作品になる
ことは間違いないものだ。
 また、原作者のデュプロウは現在本作の続編を執筆中とい
うことで、今回6桁半ば($)で結ばれた映画化権の契約金
は、続編に関する分も含まれたものと言われている。つまり
シリーズ化の可能性もあるということだ。
        *         *
 お次は、ハリウッド映画では珍しいサッカーの話題で、日
本でも人気抜群のデイヴィッド・ベッカムや、ジダン、ラウ
ルらが登場するサッカーを題材にした3部作映画が製作され
ることになった。
 この3部作は、全体が“Goal!”と名付けられたもので、

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11月15日(月)
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