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On the Production
by 井口健二
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■ポーラー・エクスプレス、Mr.インクレディブル、ふたりにクギづけ、プリティ・プリンセス2−ロイヤル・ウェディング、ネバーランド
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※このページでは、試写で見せてもらった映画の中から、※
※僕が気に入った作品のみを紹介しています。     ※
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『ポーラー・エクスプレス』“The Polar Express”    
クリス・ヴァン・オールズバーグ原作の『急行「北極号」』
をロバート・ゼメキス監督、トム・ハンクス主演で映画化し
た作品。                       
オールズバーグの映画化では、過去にロビン・ウィリアムス
主演で実写(VFXを含む)ドラマ化した『ジュマンジ』が
あるが、今回は、原作の絵をそのままCGI化し、さらにハ
ンクスらの演技をデータ化してCGIに取り込む手法が採ら
れた。                        
つまり絵本の中にハンクスらが飛び込んで演技をしている感
じだ。そしてこの技術によりハンクスは、主人公の少年とそ
の父親、車掌、ホーボー、そしてサンタクロースと5役を一
人で演じている。(なお11月12日に行われた記者会見では、
記者会見ではもう1役あるという意見が出されたが、それは
他のキャラクターに操られているものだから役ではないとい
うのがゼメキスの考えのようだ)            
物語は、原作に沿っているが、10数ページの絵本から長編を
作り出すためにはいろいろなエピソードが付け加えられてい
る。その多くは全く新規のものだが、中には、原作の絵の前
と後のシーンといったものもあり、これは原作の読者へのプ
レゼントという感じだ。なお、エピソードの追加には、原作
者のオールズバーグもアイデアを出したそうだ。     
それにしても、作品の全体は見事に子供の絵本の感じになっ
ている。実際、アメリカでの年齢制限のレイティングはG。
全くの年齢制限なしということで、これはディズニーアニメ
ーションでも、最近はなかなか取れないくらいのものだ。 
従ってこの作品を大人の目で見ると、多少の物足りなさは禁
じえない。しかし、ここまで見事にGレイトを勝ち取った映
画製作者には敬意を表して、大人もしっかりと童心に帰って
鑑賞するべき映画ということだろう。          
とは言っても、列車の暴走やプレゼント工場での冒険など、
スピード感あふれるシーンの数々は、一級品以上のアクショ
ン映画の仕上がりになっている。この辺は見事なものだ。 
ただし今回は、新技術のパフォーマンス・キャプチャーに拘
わり過ぎたせいか、キャラクターの表情が少し乏しい感じが
する。これは例えば車掌などの大人のキャラクターではあま
り目立たなかったが、子供の表情は特に平板な感じがした。
例えば“The Lord of the Rings”のスメアゴルの表情など
は、一々アニメーターが手書きで描き込んでいる訳だが、こ
の作品ではそういう作業はしていないということだろう。こ
れは技術の進歩のためにも、敢えてしなかったという感じも
あり、それに対する一般観客の反応が注目されるところだ。
なおアメリカでは、Imax 3-Dによる上映も同時公開で行われ
る。日本でのImax上映はまだ未定のようだが、2D版で見て
いてもかなりの迫力のあるシーンが描かれており、これはぜ
ひとも3Dで見てみたいものだ。            
                           
『Mr.インクレディブル』“The Incredibles”     
ディズニー=ピクサー・アニメーションの最新作。    
両親と子供たち、家族のそれぞれがスーパーパワーを持つ一
家の活躍を描いたアドヴェンチャー物語。        
主人公のMr.インクレディブルは、スーパーパワーを使って
幾多の危機から人々を救い続けてきた。しかしあるとき、予
期せず救われてしまった人物からその行為を訴えられ、いろ
いろなパワーを持つ仲間達とともにそのパワーの使用を禁じ
られてしまう。                    

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11月14日(日)
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